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4月2日は『自閉症啓発デイ』。~私の自閉症の方とのコミュニケーションの楽しみかた~

皆さんきっと、こんな会話をしたことがあると思います。

「ねぇお風呂の水見てきて!」
「はーい。丁度よかったから水を止めてお風呂沸かしたよ!」
「ありがとう」

とても普通な会話ですが、私の知っている自閉症の方は、
「お風呂の水見てきて!」
と伝えると、水を止めない、お風呂にフタもしない、もちろん沸かすこともない。ただお風呂の水を見て戻ってくる。

皆さんはどうしますか?怒りますか?腹立たしく思いますか?きっと呆れる人もいると思います。
でも私は、ついニヤニヤして笑っちゃいます。だってお風呂の水が溢れ出ても見てるだけだなんて、吉本新喜劇みたいで面白くないですか?それに自分の話した言葉がちゃんと伝わっているのかが確認が出来るのも興味深いです。
そんな自閉症の方に伝わるよう考えてコミュニケーションをすることが今の私の仕事です。

 

でも、私も今のように楽しく感じることはできませんでした。
以前の私は自閉症いう言葉も知らなかったですし『お風呂の水を見て』の言葉奥の意味に、お水の量の確認やその後お風呂を沸かすことなど他の人もできると思っていたので『見ただけ』には腹立たしいし、伝わらないことに面倒で出来ないことに怒っていました。理解をしない人が悪いと感じていました。

 

そんなある日、テレビのニュースで自閉症の特集が放送され、初めて『自閉症』の障がい特性のことを知りました。
言葉を文字通りに理解することや、ルールに厳格だったり、コミュニケーションが苦手なことなど、そんな障がいがあるということが衝撃でした。もしかすると私がしてきたことは、相手を傷つける酷いことをしたのかも・・・と思いながらニュースをボーッと見ていたことを思い出します。

それからは『自閉症』という言葉がドンドン目や耳に飛び込んできました。アメリカドラマの『グット・ドクター』のショーンやドラマの『光とともに…』のひかる君もドラマで見る自閉症の方は少しコミカルだったり、とらえ方が違ったり、でもとても人間らしく、微笑ましくドラマを見た覚えがあります。他人のことを決めつけることは恥ずかしいと感じるようになりました。

 

そんな風に感じていた私が今は自閉症の方の支援をしています。職場では自閉症の方の観察が止まらなくなる自分がいます。

例えば、14時までテーブルを拭くことをお願いすると残り1個なのに「14時になりましたので終わります」と報告があり、「あと1個なのでお願いします」と伝えると「お断りします」返事が返ってくる。
でも私の依頼は『14時まで』と伝えたので何も間違ってない。驚きを通り越して笑えてしまう。とある時は、7桁もある商品記号を一瞬で伝票と照合できたり、私には理解出来ない速さでミスなく確認も出来ている。掃除中、クイックルワイパーで手は方向転換出来ているのに身体と足が方向転換できず、「身体がよじれてます。」って助けを求めてくる。
そんな姿勢は、見たことなくビックリしたこともありました。何が起こるか期待が膨らみワクワクもしますが、どう伝えようかなど考えています。

 

でも、まだまだ自閉症の方との接し方がわからなくて躊躇する人も多いかもしれません。自閉症の方は実直で言葉通りに行動をする時もあるけれど、悪気はなく、ともて真面目な素敵な方ばかりです。

できれば、少しだけ詳しくご本人に伝わるように「お風呂見てきて!」ではなく「お風呂の水を止めてきて」と伝えると自閉症の方も間違えずにみんなHAPPYな気持ちになるのではないでしょうか?
少しの優しさで障がい理解が深まり自閉症の方と会話が楽しめて心地良い世界が広がると思っています。

(スタッフ 玉井)

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2021年、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムをつくりました。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障がいのことをお伝えしています。
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