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私が自閉症の方の支援に携わろうと思ったきっかけ

今回、自閉症啓発週間ということで、どんなブログテーマにしようか悩んでいるうちに、私が自閉症/発達障がいの仕事をするきっかけを思い返していました。
今日はそのきっかけの部分をお恥ずかしいですが、書いてみようと思います。

 

私はこの仕事に就く前は、大学で社会福祉について学んでいましたが、自閉症や発達障がいについて知る機会があまりありませんでした。「福祉分野」か「一般企業」どちらで就職活動を進めるか悩んでいるときに、今の就職先である北摂杉の子会のインターンシップ(就労移行)を受けることに。
そこではじめて、自閉症の方々と関わる機会がありました。ご利用者さんたちと話をしていると「どこに障害があるのだろう…普通にやり取りができて、自立もしているのに…」と何も知らない私はインターンシップ初日の帰り道、そんなことを感じていました。

ご利用者である自閉症/発達障がいの皆さんは、本当に真面目で、素直で、一生懸命な方たちばかりでした。ただ、インターンシップの日数を重ねるごとに、「目に見えない生きづらさや困り感」も発見していくことになります。

所内のプログラムや、面談の陪席でご利用者さんから話を伺っていると、学生ながら気づいた点がありました。
・ご自身の好きな話をずっとしゃべり続ける方
・自分の気持ちがうまく言葉にできないのか、静かに黙っている方
・見通しがご自身のなかでイメージしづらく、不安になっている方
・音に敏感で苦手な音があり、イヤマフを付けている方
・口頭で指示されたことは理解しづらいのに、マニュアルに示すと理解が早い方

「…これって目に見えない分、理解もされづらい。でも実際に社会に出ると困る場面が多くなるのでは」そんな風にインターンシップ最終日に私は感じていました。
初めての世界に触れた気分で、とても衝撃的でした。

私はこのような生きづらさがある方々のことを知らなかったことを、恥ずかしいと思う一方で、とても興味が引かれていったことを覚えています。せっかく知った自閉症の世界をこれで終わらせたくなく、福祉の道に進むことを決意したのでした。

 

そんな私も入職し8年目に突入しました。丸7年たった今でもご利用者さんから教えてもらうことは多く、日々勉強の毎日です。でも、ご本人たちから見た視点や感性は私にないものばかりで、今でもとても新鮮で刺激的で楽しいです。

「自閉症」「発達障がい」という言葉は社会に少しずつ広まってきたように思います。でも正しい理解や知識、関わり方まではまだまだで、私たち支援者が頑張らないといけないことは沢山あるようにも感じます。

 

自閉症や発達障がいは脳機能の障がいです。得意なことや苦手なことがその人それぞれ異なり、また理解しやすい方法も定型発達の方とはまた異なります。
でも、異なるだけであり、環境がご本人に合えばその方の強みが引き出せるのです。

専門家として正しい理解と知識を社会に発信していくことで、自閉症の方の生きづらさを少しでも減らし、ご本人たちが働きやすい社会に変えていける可能性のあるこの仕事に今も魅力を感じています。
ご本人の強みが発揮できる環境を、就職先である企業で作っていけることが、就労支援員やジョブコーチとしてのやりがいです。今の私があるのは、インターンシップで出会えた皆さんのおかげだと改めて感じています。

私が今関わっている仕事が、少しでも社会とご本人の架け橋になれると嬉しいなと思いながら、これからも頑張っていきたいと思っています。

(スタッフ 岡本)

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2021年、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムをつくりました。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障がいのことをお伝えしています。
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