自閉スペクトラム症(ASD)の方の就活と就職後のサポート
ジョブジョイントおおさかでは、自閉スペクトラム症(ASD)の方が多く通所をされています。障がい特性も影響して急な予定変更やコミュニケーションが苦手ですが、スケジュールを活用した作業やルーティンワークなどが得意です。
今回はASDの方の実習・就労のサポートをご紹介です。
その方は、上記のような特性があり、作業の途中に指示や訂正をすると不安になったり、会話だけで伝えると言葉の捉え違いもありました。でも、1日の予定を伝えることで見通しがもてて不安なく取り組めたり、繰り返しする作業は慣れていくことでドンドン早くなり、そしてキッチリ、きれいに仕上げておられました。依頼した仕事は安心をしてお任せすることが出来ます。
就活では、幾つか実習を行う中でコミュニケーションが上手く取れず、評価の低い企業もありました。そんな中、コミュニケーション(接客)の不安はあったのですが、ルーティンワーク・キッチリ・きれいに商品を並べるなどの得意なことを活かすことが出来るスーパーマーケットでの雇用を目指しました。
業務は、棚に陳列されている商品をきれいに並べる前出しという仕事でした。仕事に取り組んでみると、本当にきれいに並べておられ、ビフォーアフターがハッキリ見てわかりました。
また、心配をしていた接客では、担当者へ取り次ぐ『第一接客』の練習を行いました。
①お客様さまから声がかかる
②いらっしゃませ。係の者を呼んできます。少々お待ちください。と伝える
③近くにいる従業員に引き継ぐ
この流れはすぐに理解されて、特に問題もなくお客様からのクレームもありませんでした。
その他にも、前だしをしているときに商品を取るお客様に対しても「いらっしゃいませ」と声掛けをするルールがあり、仕事に集中をしていると周りに気ずことが難しい様子でした。
私からは、「お客様の手が見えれば声を掛けましょう」と伝えて一緒に練習をしました。私がお客様役で商品に手を伸ばすと勢いよく私の方へ振り向かれ、元気に「いらっしゃいませ‼️」と声をかけておられました。相手との距離が近くてちょっと笑ってしまいましたが、とても丁寧に取り組んでおられました。
①手が見えても作業を続ける
②顔は棚の方向を向いたまま「いらっしゃいませ」と言う
上記の手順は、曖昧な部分もあってご本人を悩ますこともありましたが、タイミングを伝えることで徐々にできるようになりました。順調に実習を終えて無事に入社され、今も元気に働かれています。
ASDの方の就労支援では、正しいルールを具体的に伝えることで苦手とすることも理解しやすくなり、繰り返し行うことで上達することができます。この方も、通所をされた当時は接客が伴う就職先はご本人も私たちも無縁と考えてましたが、障がい特性の理解と配慮、職種とのマッチングでご本人の就労先が広がるように感じています。
ジョブジョイントおおさかでは、実習→就職→就職後サポートと、障がい福祉サービスの就労定着支援事業も活用して一般就労をしている障がいのある方が長く働き続けられるようサポートをしています。
(スタッフ 玉井)