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【特別コラム】環境との相性

この特別コラムは、世界自閉症啓発デーに合わせて毎日配信するコラム。
簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障がいのことをお伝えしていきます。
詳しくはこちら。

 

「自閉症とは」でもご紹介したように、「周囲環境との相互作用」は自閉症の人を知る上でとても大切な視点。学校や職場の環境、物理的な環境や人的な環境など、環境には様々な状況があると思います。

ここでは「相性」という言葉を使って表現しています。人と人との相性に良し悪しあるように、自閉症と環境にも適することと適さないことがあります。「合うことも合わないこともある」ってことをまずはご理解いただけたら嬉しいです。

 

自閉症の人にとって好ましい環境とは、「キッチリしてること」「ハッキリ具体的であること」「慣れ親しんでること」の3つ。3S(整理、整頓、清掃)活動された環境は物の置き場がキッチリしていて分かりやすいでしょうし、やるべきこと(ルール、手順、納期など)が明確であると力を発揮しやすく取り組みやすくなります。また、日々の習慣や時間帯・曜日など、固定されたことを繰り返すことで習熟でき、人によっては職人技のような強みを発揮する場合があります。好ましい環境で教育を受けたり仕事をすることができれば、自閉症の人は穏やかに過ごすことができ、本来の力を十分に発揮することができると思います。

 

最後は、人的な環境について。環境との相性を考える上で一番大切なことは、「どんな人が身近にいるか」ということ。簡単に言えば、大目に見てくれたり、励ましてくれたり、笑顔で接してくれるなど、肯定的な声かけをしてくれる人が身近にいることが理想なように思います。「やさしさのある人」と言ってもいいかもしれませんね。

自閉症の人と話をする時は、「短文で」「簡潔に」「あっさり」「はっきり」「ゆっくり」と話してくれる人が良いと言われています。曖昧なことが苦手な自閉症の特性がありますから、褒める時はストレートに、時にはオーバーリアクションで、上手くできたことをフィードバックすると伝わりやすいです。

 

「やさしさ」の定義はそれぞれかと思いますが、自閉症の特性を理解した上で穏やかに接してくれる人が多い環境が理想です。人的環境の相性は、環境との相性の中でとても重要な意味を持つことを改めてみんなで認識できたらと思います。