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【toiro】実録発達障がい7・自分のこと「も」公平に見る

ときに皆さま、自分の挙げた成果のことを、大切にしてくださっているでしょうか。

私が最近、大変疑問に思っていることのひとつです。

日本には「謙遜は美徳」との考え方があります。確かに自分のしたことを、わざわざ自慢して回る必要はないでしょう。一方で、自分のしたことを無理やり「大したことではない」としてしまうなら、それはそれでおかしなことです。足したり引いたりせず、事実をそのまま伝えるだけで充分だと、私は考えるのです。

 

私がそんなふうに感じた、実際の例をご覧いただきましょう。こんなことをおっしゃるAさんがいました。

「2つのグループのどっちの味方もしない、私ってどっちつかずだなって悩んでいるんです」

私は驚いて答えました「いやいやそれは、色々な視点からものごとを見られる、冷静で公平な人ですよ」。

Aさんは誰かをだましたり、利益を独り占めしたりしているわけではありませんでした。意見の異なる2つのグループ間で、両方の話を聞いて、まとまる落としどころを見つけようとしていたのですから。

そう伝えると、Aさんは少し明るい表情になっていました。

 

こんなことをおっしゃるBさんもいました。

「英訳した論文を、恩師の授業内で資料として使ってもらえたんです。まあ、お愛想で使ってもらったのかもしれないんですが」

私はとても驚いて答えました「いやいや、あなたが尊敬する先生は、本当にそんなことをする方でしょうか?」。

Bさんのお話から伝わるような素敵な先生なら、他の学生さんにもよく学んでほしいとお思いなのではないか。そんな方が、お愛想のために、適当な英訳を授業に使うだろうか。単純に、Bさんの英訳を良いと思ったのではないか……そうお伝えしました。

Bさんは「そっか」と言った後、少し考え込んでいました。

 

おかしな謙遜の例も、これら2つで充分でしょう。もはや多くは語りますまい。それでは最後に、要点を記して、今回の記事の締めくくりといたします。

Q. それじゃあ誰かに褒められたとき、私はどうしたらいいですか?

A. 素直に「ありがとう」って答えるのが、お互い一番嬉しいんじゃないでしょうか!

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。