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【toiro】残念な多目的トイレの話

タイトルを見て首をかしげた方、疑問はごもっともです。多目的トイレと言ったら、車椅子の方はじめ様々な用途で使うことを想定した、れっきとした社会資源のはず。それがなにゆえ残念などと?

 

だがしかし、あえて申し上げましょう。
「世の中の多目的トイレには、形だけ整っていて、実際の車椅子にはものすごく使いにくいものがある」と!

 

ことの起こりは昨年四月。ふだん車椅子で過ごしていらっしゃるお知り合いから、外出時に大変だった出来事について、お話を聞いていたときです。

「多目的トイレってうまく使えないことがあるんですよ」
「どうしてですか?」
「横の手すりが短すぎて、便器から車椅子に戻るとき、すごく大変なんです」

 

私はとても驚きました。多目的トイレといえば、車椅子の方の利用は真っ先に想像されていいはずです。そんなことがあるものでしょうか?

 

論より証拠、私はさっそく実験してみることにいたしました。ご近所の某スーパーマーケットの多目的トイレを訪ねてみたのです。

車椅子でやってきたことを想像しながら、足をそろえて横滑りに便器に座ります。ここまでは問題なし。では戻ろうとしてみると……なんと、ものすごくやりづらい!

 

原因は床に平行に設置されているバーが短すぎること。バーに腕をついて体を支えようとすると、後ろに向かって思い切り肘を曲げることになってしまうのです。自然と上半身は前のめりになります。

うっかりトイレの床に落ちそうになりながら、私はつくづくと考えました。この多目的トイレは果たして、車椅子の方の意見を実際に聞いて作ったものなのか? と。

 

その後の調査の結果、幸いにも、実際に使えそうな多目的トイレもいくつも発見されました。ただし今回お話ししたように、体裁は整っているものの、どうにも使いづらい残念なサービスがあるというのもまた事実です、利用する方の意見を取り入れていないサービスは特に、かくのごとく残念な結果になることが多いようです。

 

皆さんの周りには、残念な多目的トイレのようなサービスはあるでしょうか? いや、ないほうがいいかな……。

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。