【toiro】実録発達障害25・隠れた基礎を積み上げる
新年度が始まってしばらく、皆さまいかがお過ごしでしょうか。日々新しく学ぶことが多く、お疲れの時期かもしれません。それでも、目立たない基礎的な部分の学びを繰り返して、身に着けておくことは、お仕事でも日常生活の上でも役立つことと存じます。
今日はそんな出来事のお話をいたします。
我が家の近くには、発達障害の方が働くカフェがあります。お互いうちとけた間柄ということもあり、働き始めて日の浅い店員さんの練習のために、コーヒーを入れていただくことがあります(もちろんお代は通常どおりです)。
先日、新しい担当者・Aさんが、カウンターに立つ機会がありました。私はさっそくメニューをのぞきました。
「今できるお品は何ですか?」
「コーヒーならできます」
「ではカフェオレをお願いします」
「えっ?(コーヒーを注文してくださらないの?)」
「えっ?(カフェオレもコーヒーの一種ではないの?)」
Aさんと私、カウンターを挟んで、しばしの沈黙がありました。
確認すると、Aさんが学んだのは「通常のコーヒーの淹れ方」であって、カフェオレはまだこれからだったのだとか。
そのカフェオレも、我が家で気軽にするような、コーヒーに牛乳を混ぜるだけのものではなく、味と香りを保てる濃いめのコーヒーを淹れつつ、牛乳を別のお鍋で温める……といった手順が加わるのだそうです。
よいお品を提供するための、カフェの皆さまの工夫を垣間見ることができ、私は頭が下がる思いでした。同時に、できないことを素直に教えてくださったAさんの姿勢にも感じ入りました(もしその場を取り繕うだけなら、私の勘違いをそのままにしておいたほうが楽だったでしょう)。
私は改めて、ブラックコーヒーを注文いたしました。Aさんは注文通り、美味しいコーヒーを入れてくださいました。
一杯のコーヒーにも学ぶべき基礎があり、基礎のを学んだ上にアレンジしたものがあるのだと改めて気づかされました。多くのお仕事にも、発達障害の生活改善にも、通じるものがあると感じた出来事です。
近い将来、Aさんの入れたカフェオレを味わえる日を、楽しみに待つ心づもりです。

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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

発達障害当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障害に関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障害への対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障害とのつきあい方」などの記事を作成しています。










