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発達障がいのある大学生が使える就職支援(就労移行支援サービス)とは

大学生活は、中学や高校までと違って学生さん自身が自主的に、能動的に、学校生活を送る必要があります。
履修登録や授業での課題・レポートの提出、ゼミの参加、就活や卒論など、大学生の4年間でやるべきことはたくさんあり、計画的に取り組んでいかないと単位取得や卒業が難しくなってしまいます。

特に、就職活動が始まる3〜4回生は、卒業が近づくにつれて卒業論文との両立で取り組むことが増え、同時並行処理が難しい発達障がいの特性も影響して、3〜4回生の頃から精神的にしんどくなってしまう学生さんは多いように思います。

今回は、学生さんの就職活動をサポートする「就労移行支援」について、解説したいと思います。

学生さんの困りごと

・アルバイトの経験がないため、働けるかどうかが不安
・インターンシップにも参加したことがない
・大学生活は学業のことで精一杯で就職活動ができなかった
・コミュニケーションが苦手で集団に入れない
・時間管理や忘れ物が多く、今の学業も将来の就職も心配
・失敗したり気持ちが落ち込むと切り替えがうまくいかず、立ち直るのに時間がかかる

学生さんとの面談や相談では、上記のことをお聞きすることは多いです。発達障がいや自閉症スペクトラムの障がい特性も影響して困りごとが表面化しているように思います。

就職支援の具体的なサポート内容

就職までの流れは、上記3つを中心としてサポートしています。
以下、具体的な内容になります。

▼就職準備
プログラムに参加して得意なことと苦手なことを確認する
自己分析として障がい特性や配慮事項をワークシートに沿って検討する
自分のことを説明するプロフィール表をつくる

▼企業研究
所内プログラムの企業研究講座に参加して様々な企業を知る
企業見学や企業実習(インターンシップ)に参加して自分に適する仕事と環境を考える
企業研究で得た情報をもとに、希望の仕事や労働条件をジョブマッチングシートにまとめる

▼就職活動
エントリーシート、履歴書や職務経歴書などを準備する
添削サポートを受け、書類を完成させる
応募企業をネットや面接会で探す
面接場面での受け答えや立ち振る舞いを学び、面接練習する

就職に向けて、「準備」は大切です。
準備さえできていれば、きっと自分に合う職場は見つかると思います。

主な就職先(一部)

  • ロート製薬株式会社
  • 株式会社ベルシステム24
  • 東京海上ビジネスサポート株式会社(東京海上グループの特例子会社)
  • 株式会社スミセイハーモニー(住友生命グループの特例子会社)
  • 社会医療法人愛仁会 介護老人保健施設 しんあい
  • 株式会社LIXILビバ
  • 株式会社エムツープレスト
  • 株式会社ダイフク
  • 三井物産アイ・ファッション株式会社
  • テルウェル西日本株式会社
  • キューピータマゴ株式会社
  • 社会医療法人きつこう会 多根総合病院
  • 株式会社ダイキンサンライズ摂津(ダイキングループの特例子会社)
  • ウエルシアオアシス株式会社(ウエルシア薬局株式会社の特例子会社)
  • ANAウィングフェローズ・ヴイ王子株式会社(ANAグループの特例子会社)
  • 中央フードサービス株式会社
  • 積水ハウス株式会社
  • 花椿ファクトリー株式会社(資生堂グループの特例子会社)
  • BODYMAKER株式会社
  • オーティーティーロジスティクス株式会社
  • イケア・ジャパン株式会社
  • 株式会社アウトソーシングビジネスサービス(株式会社アウトソーシングの特例子会社)
  • 城野寝具株式会社

在学中から使える就労移行支援(*自治体による)

就労移行支援は市町村の福祉サービスで、2年間使える就職準備と就活をサポートする福祉サービスです。学生さんの利用については、自治体によって違いはあるものの、卒業学年の4回生から利用することができす。

▼学業の状況、学生さんの希望
・3回生までにある程度の単位取得ができた
・大学に行かない日は就労移行支援で就職準備をしたい
・職場で求められる対人コミュニケーションのコツを就職までに職業訓練しておきたい
・一人では就職活動をするのが難しいため、エントリーシートや面接練習のサポートを受けたい

上記は、学生さんやご家族の希望です。学業が落ち着いたこともあって、ジョブジョイントおおさかの就労移行支援を利用する方が毎年一定数おられます。
卒業するまでに上記のことをジョブジョイントおおさかの就労移行支援で取り組む学生さんは多くおられます。

既卒生でも利用することができる

上記までのサービス内容は、もちろん、既卒の方も利用することができます。
就職準備、企業研究、就職活動など、既卒の方に合わせて就職までのサポート内容や進め方を一緒に考えてサポートしています。

大学での学びや経験は、就職後に活かせることもたくさんあるはずです。
一人で考えるよりも、スタッフと一緒に考えることで将来をイメージしやすいことも多いですし、企業見学やインターンシップなどで自分に合う働き方を考えやすくなるかと思います。

よくあるご質問

卒業学年なら、誰でも利用できますか?

就労移行支援は、福祉のサービスなのでお住まいの市町村障がい福祉課が利用の可否を決定します。
卒業学年であれば、在学中であっても就労移行支援を利用できる傾向にありますが、詳細は市役所等で確認が必要となります。

毎日のプログラムはどんな雰囲気ですか?

プログラム中は、静かで落ち着いた雰囲気です。
利用者の方も作業や講座に集中しておられ、黙々と取り組まれている分、全体的に静かな雰囲気です。
また、マイペースな方が多いため、休憩中も静かで落ち着いてる様子が多いかと思います。

手帳がなくても利用できますか?

障がい者手帳がなくても利用できます。
ただ、発達障がいや自閉スペクトラム症などの障害名が書いた診断書が必要です。
診断書を持って市町村の障害福祉課に行くことで受給者証の申請ができます。

交通費は補助されますか?

現在、ジョブジョイントおおさかでは、交通費の補助制度はありません。
ただ、一部の市町村では、交通費を補助する独自の制度を設けている場合もあります。

利用料(費用)はかかりますか?

ご本人の前年度の所得に応じて自己負担額が市町村障がい福祉課で設定されます。
ただ、ジョブジョイントおおさか利用者の「9割は無料」で利用されているのが現状となっています。

就労移行支援・自立訓練の見学相談会は、毎週開催中! ぜひ、お気軽にお申し込みください。
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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障がいのある人の地域生活支援の仕事をして15年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの支援に携わってきた。趣味は、登山、散歩、読書。現在は、北アルプス登頂目指してマイペースにトレーニング中。