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【toiro】実録発達障がい8・壁に突き刺さる私たち

発達障がい当事者の私たちは、実にさまざまな体質を持っています。その中のひとつには一見わかりにくい「視野が狭い」というものがあります。

このたとえは、目に入っている視界全体や、頭の中にある多くの選択肢に意識を行きわたらせることが難しい状態を指しています。結果「見えているはずなのに見えていない」「これしかないと強く思い込む」出来事が起こりやすく、傍から見るとものすごく頑固に見えてしまいます。

 

いくつかの実例をお話しいたしましょう。

テーブルの端に置いてある車の鍵を前に、鍵がない! と頭を抱える(母の場合)。病気でろくに動けないときに、奨学金が取れなくなるから学校に行く、と主張する(私の場合)。大切な資料をしまい込みすぎて、後から探し出せなくなる(これも私の場合)。

これらの有様ときたらまるで、部屋のすみっこで壁に向かってぐいぐい頭を押しつけながら「前に進めない!」と叫んでいるかのようです。

こんなときはどうしたらよいかって? 結論から申し上げます……「他の人の意見を素直に聞く」「自分の主張はいったん置いておく」。

物事がなかなか進まないとき。これでいいはずなのに結果が出ないとき。だとしたら、これでいいはずと信じている自分の考えこそが、今まさに問題の原因かもしれません。

 

こんなとき、誰かの意見を聞くことを、ずるいなんて考える必要はもちろんありません。

誰かが行き詰まっているときには、以前そうしてもらったように、私たちも声をかけてさしあげればいいのです。

そうやって助けてもらえることが、どれだけ有難いか、私たちはよくわかっているはずですからね!

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。