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視覚的な情報伝達を大切に〜今日は世界自閉症啓発デー〜

4月2日は世界自閉症啓発デー。所内のエントランスはシンボルカラーの青色に染まり、利用者の方と作った折り紙がとてもいい感じです。発達障がい啓発週間の4月8日までは、青色を大切にしながら一週間を楽しんでいきたいと思います。

 

さて、啓発デーに合わせて今日は「視覚支援」のお話です。

自閉症、発達障がいは先天的な脳機能の障がいで、情報処理に機能障がいがあります。情報をインプットしたり、脳内で情報整理したり、話したり書いたりなどでアウトプットするといった一連の流れ(情報処理)に、なにかしらの機能障がいがあるといわれています。

仕事の場面で考えてみると、上司や先輩から「指示」があることで仕事は進んでいきます。接客業なら、お客様からの注文や依頼で仕事に取り掛かることもあると思います。

その際、口頭(音)で指示を伝えられ、耳で聞き取って脳内に情報入力する場面はきっと多いと思います。でも、これが自閉症の人にとっては苦手な場面であることは結構多いものです。

口頭は、音として聞き取るため、視覚的に見て理解することはできないため、どうしても「音は瞬間的」となります。相手の発する音に注意を向け、聞き漏らすことなく正しく理解することは、自閉症の人にとっては大変な作業です。

その反面、文字や写真、動画などの視覚情報は、瞬間的ではないために「情報が消えない」というのが最大の特徴です。消えないために何度も見返すことができ、繰り返して確認したり見直すことで理解が深まるなど、視覚的な情報は自閉症の方それぞれの学びやすいスタイルに合わせることができ、自閉症の人にとっては安心して情報処理することができます。

職場で考えると、「ルール」「手順書」「業務マニュアル」「物の置き場」「注意喚起する掲示物」など、自閉症の人に限らず「目で見て理解するもの」は、実は職場の中にたくさんあります。僕の職場もみんなの予定はGoogleカレンダーで視覚的に共有していて、職場のルールや注意事項は事務所内に掲示して周知したり、端的なやりとりはチャットシステムを活用するなど、「音以外の情報」で伝達することは日常的に行なっています。

これは普段の生活でも同じで、コンビニや駅のホームにある分別ゴミ、道路の自転車専用レーン、カップ麺の裏に記載された作り方(手順書)など、パッと見て理解できたり、写真や文字でわかりやすく記載されていたりと、よくよく考えてみると、視覚的な情報は世の中にたくさんあるものです(ご存知かもですが、IKEAの説明書は家具の組み立て手順がシンプルで、とてもわかりやすいです)。

 

  • 音は消える
  • 視覚情報は消えにくい
  • 聞いて理解よりも、目で見て理解が得意

これが、自閉症の人と関わる上で大切となるポイントです。職場や学校、私生活など、自閉症の人と一緒になるときは、ぜひ上記3つのことを心掛けてもらえると嬉しいです。

 

 

特別コラムはこちら

2021年、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムをつくりました。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障がいのことをお伝えしています。
詳しくはこちら。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障がいのある人の地域生活支援の仕事をして15年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの支援に携わってきた。趣味は、登山、散歩、読書。現在は、北アルプス登頂目指してマイペースにトレーニング中。