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【toiro】怒るとき=本当に大事なとき

無事に2023年を迎えた現在、皆さまいかがお過ごしでしょうか。新年早々、本記事はびっくりするような題名を呈しておりますが、ぜひ早いうちにお話ししてみたいことでもあります。

 

「そんなことで怒らないで」皆さまはこう言われたことはおありでしょうか。

あまりよくない怒り方は確かにあります。たとえば大きな声をかぶせて話を遮ったり、一方的に言うことを聞かせようとしたりするのは、悪い怒り方のひとつでしょう。

(発達障がいの私たちの場合、驚いたり恐がったりした結果、大声を出してしまう場面もあります。これは別の件として、説明する工夫が必要です)

では私たちは、まったく怒らないほうがいいのでしょうか?

 

私はこう考えています……「怒る力は、本当に大事なときのためにとっておく」のがいいのではないかと。

 

怒りは、私たち人間をはじめとした多くの生き物に備わっている機能です。怒りを活用することで、私たちは危険な状況から一気に抜け出す「火事場の馬鹿力」を発揮することができます。

だからこそ、私たちが社会の中で適切に怒るには、ちょっとした準備が必要になります。

私たちは普段の暮らしの中で、さまざまな人に出会います。人間同士とはいえ、姿も考え方も少しずつ違います。自分と違う何かに会うたび怒っていては、肝心のときに全力で怒ることが難しくなってしまいます。怒るにふさわしい「本当に大事なとき」を、自分で決める必要があります。

「本当に大事なとき」の中身は、人によって異なります。大切な願いごとをないがしろにされたとき? 自分のこと、家族のこと、友達のことを不当に扱われたとき? 明らかな理不尽を強いられそうなとき? ……このように、怒るときを決める作業は、考え方や優先順位を整頓することにつながっています。

一見した印象に反して、その場の勢いだけでは、適切に怒ることはできないのです。

 

怒ることは、自分の命を守るために必要な力です。強力なぶん、適切に怒ろうとすると、怒りどころをよく考える必要も出てきます。

皆さまの怒りどころ……「本当に大切なとき」はどんなときでしょうか。今年の抱負に思いをはせるとき、少しだけ考えていただけたなら幸いです。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。