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【toiro】実録発達障がい5・思い立ったが感謝の日

皆さんは、身近な人たちと居心地よく過ごすために、心がけていらっしゃることはおありでしょうか。

私の場合、最も効果があったのは「感謝の気持ちを伝えること」でした。

何も毎回、菓子折りや感謝状を持っていこうというのではありません。お礼のひとこと、会釈のひとつで充分です。ささやかなお礼を、たくさんの人に伝えることです。

喫茶店の店員さんに「ありがとうございます」道を譲ってくださった方には「恐れ入ります」ピアサポートグループでお菓子を分けてもらったときは「嬉しいです」発達障がいの学習会場では「ご来場感謝いたします」……機会もバリエーションもたくさんあります。

 

以前には「ありがとうって言いすぎるのはうるさいのでは?」という意見を聞いたこともあります。

確かに、気持ちがないにも関わらず言葉だけ繰り返すことは控えたほうがいいかもしれません。けれど、単純に感謝を伝えようと考えてしていることなら、やり方を変えればいいだけです。うるさいとおっしゃる方にだけ、会釈ですませることもできます。

また、私たち発達障がいの人は、今日の「ありがとう」を明日言えないことがあります。

急に体調を崩して、お礼を言いたい人に会えないこともあります。今日は確かに覚えていても、明日にはまるっきり忘れてしまうこともあります。原因は実にさまざまで、気圧や気温の変化、急な予定の変更といった、ちょっとしたことのときもあります。

私たちにとっては、気づいたときにすぐ伝えるのが、感謝を伝える最も確実な方法です。

 

私が発達障がいの診断を受けてからの15年間を振り返ると、初めて訪れる場所を含むほとんどの場面で、気負わずお話しできるようになってきました。一方でその間「ありがとうと言いすぎてうるさい」と言われたことは、ただの一度もありません。

もし皆さんが、人と交流する勇気を持ちたいと思っておいでなら、この体験談がお役に立てば幸いです。

 

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。