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【toiro】猫に学ぶ発達障がい11・急がば回れ

猫との戦い……それは往々にして、私たちが気分よく仕事を進めているときに起こります。

かまってほしいときの猫には容赦がありません。机に飛び乗りパソコンのキーボードを踏みつけ、腕と腕の間にずっしり腰を下ろします。どけてもどけても戻ってくる、こうなるともうお手上げです。パソコンの画面には怪文書が生成され、仕事に向かっていた気分はすっかり中断されてしまいます。

こんなとき、皆さんはどうなさっているでしょうか。

 

我が家では、仕事をいったん終えて、休憩をとることにしています。

このとき重要なのは全力で休むことです。パソコンの電源を落とし、書類をしまい、できるならデスクからソファに移動します。そして猫を抱っこし、おもちゃでじゃらして、全力で遊び相手を務めるのです。

 

なぜかって? 猫の「かまってほしい」要求は、短時間で済むことが多いからです。

長くてもおよそ数十分。仕事に支障が出るような長さになることはまずありません。猫が満足して去っていったころには、私たち人間にとっても、かえって気分転換になっていることが多いくらいです。

もうひとつの理由は「気分よく仕事をできること」と「仕事の完成度」とは、必ずしも一致しないからです。特に発達障がいの人には過集中という、集中しすぎて休むのを忘れる、困った状態が見られることがあります。10分の休憩を、1時間後ではなく今このときに行うことで、かえってよい仕事ができる……という経験も、きっとご存じのことでしょう。

(もし本当に、10分20分を争う仕事に毎日追われているとしたら……スケジュールを見直したほうがいいかもしれません。発達障がいの人にとって、余裕のなさはそれだけで問題のきっかけになることもありますから)

 

気分が乗っているほど「今いいところなのに!」と言いたくなることはあります。そんなときこそ深呼吸して「気分転換のいい機会をもらった」と考えてみるのはどうでしょう。ちょっとしたことにムッとしてしまっている時点で疲れている可能性は大ですし、何よりそのほうが、お互い幸せになれそうじゃありませんか。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。