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【toiro】実録発達障がい・丁寧のさじ加減

質問:あなたの職場の玄関に、宅配のパン屋さんがいらっしゃいました。

あなたは担当者が来るまで待ってもらえるよう伝えて、その場を離れました。

しかしその後、担当者が玄関に行ったところ、パン屋さんは緊張でがちがちに固まっていたそうです。なぜでしょう?

 

いきなり何事かと思われたかもしれませんが、ご覧のブログは正常に稼働しております。ご安心ください。

これはクイズではなく、つい先日、私が実際に体験した出来事です。上記のお話で「あなた」にあたるのが私であり、後半は応対した同僚の方から、後で教えてもらったものです。

どうやら私は知らぬ間に、罪のないパン屋さんを石像にしてしまった様子。いったい何をやらかしたのでしょう。

 

結論から申し上げます……「私の受け答えがかしこまりすぎていた」こと。これがどうやら、今回の出来事の原因でした。

「すぐに担当者が参りますので、少しお時間をいただけますか」。返事を待つパン屋さんに対し、私が伝えたのはこのような言葉です。私が確認した限り、言葉そのものが特別失礼だと指摘した同僚の方はいませんでした。

 

では何が問題だったか。パン屋さんの視点になってみます。

いつもの予定どおり、いつものご近所の配送先。軽い気持ちで声をかけたところ、出てきたのは見慣れぬ職員(私)の、妙にかしこまった(他人行儀ともとれる)受け答え。

 

おわかりいただけたでしょうか。この一連の流れが、パン屋さんの緊張のスイッチを、ものすごい勢いで押し込んでしまったようなのです。

この出来事について、正確なところは確認しようがありません(今から追いかけて確かめようものなら、今度こそパン屋さんは震えあがってしまわれるでしょう)

 

ジョブジョイントおおさかで就労支援を受けること1年間、実際に働き始めて6年間。ある程度「話すこと」に積極的になった今でも出くわすこんな出来事。雰囲気を素早く読み取って、細やかに距離感を調整することは、私という発達障がい当事者にとってはやっぱり困難なことのようです。

もし同じような経験がおありの方がいらしたら、私が教わった、こんな言葉をお伝えしたいと思います。

 

「いつも雑な話し方より、礼儀正しいってことでいいんじゃないかな。お仕事するときはそのほうが、問題は少なくて済むと思うし……なにより、そんな大問題じゃないよ、今回のことは」

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。