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【toiro】猫に学ぶ発達障がい6・自分だけの宝物

我が家の猫のベッドはちょっと変わっています。

素材はまさかの発泡スチロール。A4サイズのノートが入るくらいの大きさの箱です。そこかしこに細かい傷が入って、なんなら縁だって欠けています。

 

それもそのはず、この発泡スチロールの箱、もとは野菜の保管用。すっかり大きくなった猫がベッドにするには、ちょっと素材がもろすぎるのです。

ところが猫は譲りません。ふたつの箱を並べていれば、必ず発泡スチロールの箱に入ります。隠してやればその場でぐるぐる回って、発泡スチロールの箱を持ってくるよう要求します。

 

さて、このこだわり、どこかで見覚えがありますね。

発達障がいの方が、いつも同じ服を着ていたり、ずっと同じ毛布を使い続けていたり……

もはや紹介も定番になってきたこの現象、興味関心の偏りや、五感からの刺激を強く感じる「感覚過敏」を原因のひとつとしていることは、皆さん既にご存じかもしれません。

 

猫と人間は違うよ、というご意見もおありでしょう。

確かに私たちは、いくら着心地が気に入っても、ぼろぼろの服を着て仕事に行くのは難しいことでしょう(だからこそ、着られる服=同じメーカーの同じデザインのシャツを、クローゼットにずらりと十数着買いそろえる、なんて工夫をするわけですが)

 

しかし、しかしです。裏を返せば、自分ひとりの場所では自分のこだわりを優先できるということでもあります。考えてみれば自室や引出しの中に、ちょっとしたコレクションを作っているというのはよくお見かけする事例。こだわりの問題は発達障がいかどうかではなく、支障をきたすことなく毎日の生活を送ることができているか、単純にそれだけのように思われます。

 

はからずも人のこと、いや猫のことは言えないぞと明らかになった今回の件。

謎のこだわりを持つ自分自身、ベッドにこだわる猫に対して理解を示すのと同じように、周囲の方のこだわりにも理解を持つことができるのではないかな……等と考えるきっかけになった次第です。

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。