【特別コラム】「きっちりできる」は大きな力|自閉症の特性と環境の関係

自閉症のある人と関わるなかで感じるのは、「誠実さ」や「真面目さ」、そして「一つひとつのことに丁寧に向き合う力」。

日々の関わりのなかで、その姿に触れるたび、こちらの気持ちも自然と落ち着き、多くのことを学ばせてもらっていると感じます。

今回はそんなお話です。

イベントで見えた「きっちりさ」と安心感

昨日、高槻市で開催された世界自閉症啓発デーのイベントでは、自閉スペクトラム症のある方3名とともに、会場の設営や受付のお手伝いをしました。

設営では、席の配置や人の動きを一つひとつ確認しながら、とても丁寧に取り組まれている姿が印象的でした。

特に、受付の場面では、その丁寧さや誠実さがよく表れていて、来場された方への挨拶や資料の渡し方、会場へのご案内について、事前に何度も確認し、練習を重ねて本番に臨まれていました。

一つひとつのやりとりを大切にしようとする姿は、「きちんと対応したい」という気持ちが伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。

働く場面で活きる「強み」

こうした特性は、働く場面でも大きな強みになります。

決められた手順を守ること。
時間を意識して行動すること。
任されたことを丁寧にやり切ること。

こうした積み重ねが、安心して仕事を任せてもらえたり、周りからの信頼につながっていきます。

また、自閉症の人は、あいまいなことよりも「はっきりしていること」を好む傾向があります。
そのため、やり方や役割、手順がわかりやすく整理されている環境では、本来持っている力を発揮しやすくなります。

力を引き出す「環境との相性」

一方で、「なんとなくこうしてほしい」「空気を読んで動く」といった場面では、力を発揮しにくいこともあります。
ただ、それは、本人の努力不足や能力の問題ではなく、「環境との相性」によるものです。

環境が少し整うだけで、安心して力を発揮できることもたくさんあります。

関わる側にできること

関わる側として大切にしたいのは、「わかりやすく伝えること」と「一貫した関わり」です。
約束を守ることや、同じように接することは、自閉症の人にとって安心感につながります。

自閉症の人の「きっちりとした姿勢」は、私たちにとっても大切なことを教えてくれます。

誠実に取り組むこと、丁寧に向き合うこと。
その積み重ねが、人との信頼関係や安心できる環境をつくっていくのだと、あらためて感じます。

「強み」を活かす視点へ

自閉症の人の「丁寧さ」や「誠実さ」は、大きな強みです。
その力は、環境が整うことでより発揮されやすくなります。

「できないこと」に目を向けるだけでなく、「どんな環境なら力が発揮できるか」という視点を持つことが、とても大切。

その積み重ねが、安心して過ごせる日常や、働く力につながっていくものと思います。

特別コラムはこちら

2021年より、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムを続けています。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障害のことをお伝えしています。
詳しくはこちら。

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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障害のある人の就労支援に携わって20年となり、講演実績は150件。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援なども担当してきた。趣味は、散歩、読書、キャンプ、ハイボール。夢の北アルプス登頂を目指してマイペースにトレーニング中。

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