【toiro】歴史上の先輩、これからの後輩――世界自閉症啓発デー2026によせて

4月2日、今年も世界自閉症啓発デーがやってきます。2007年12月18日開催の国連総会において決議されて以来、20年近くが経過しました。当時からこれまでのことを思うと、自閉スペクトラム症を取り巻く環境は確かに改善されてきていると感じずにおれません。

過去の日本において、精神にまつわる障害当事者は社会参加が難しかった時代があります。

仕事ひとつとっても、一緒に働く側からすれば、他の人と同じように伝えているのにどうして指示が通らないのかわかりませんでした。障害当事者の側も、どうして言われたとおりできないのか自分でもわからず、悩み続けていた方もいらっしゃいました。

しかし時を経るにつれて、自閉スペクトラム症という呼び名が明確になり、知識が広まり、どんどん状況は改善されていきました。発達障害という言葉がニュースでも流れるようになり、精神障害の方も障害者雇用の人数として数えるよう法律が改正されました。

障害のことに限らず、私たちが人間の社会の中で普段受け取っている権利は、多くが歴史上の人たちが作ってくれたものです。性別によって投票や労働の機会が制限されていた時代もありました。正しい知識がないがために不衛生な環境で間違った治療が行われていた時代もありました。

それらが何十年、ときに何百年もかけて改善されてきて現在。今では入院中の方であっても、決められた病院や施設からであれば不在者投票ができるようにまでなっています。

そうした改善の発端は「みんなが同じようによい環境で過ごせるように」だったはずです。今まで弱みだった障害や病気を盾に、権利を振りかざしたり暴走したりすることでは決してなかったはずです。

こうした記念日は、普段忘れがちな大事なことを思い出すきっかけになってくれます。

今まで歴史上の人たち、人生の先輩が残してくれたよい環境を、私たちも次に渡せるように。それから、次の世代の人たちに場所を交代するときは、少しだけ今よりよいもの渡せるようにしたいものです。私たちがそうしてもらっているのと同じように。

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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障害当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障害に関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障害への対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障害とのつきあい方」などの記事を作成しています。

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