資料請求 見学・相談会申込 お問い合わせ

ガクチカと自己PRを作り方~発達障がい学生の就活を応援!~

3月からはいよいよ就活がスタート。学生の皆さんは、多くの企業から働きたいと思える企業を探し、エントリーシートなどの応募準備作成→面接対策と進む就職活動は、学業と同時並行で進める難しさもあって、学生さんにとっては大変なこともあるかと思います。

そこで、少しでも学生の皆さんの就活がうまく進むことを願って、「ガクチカ」「自己PR」をテーマに作り方のコツをお伝えします。

ガクチカと自己PRの違い

まずは、ガクチカについてです。
ガクチカは、学生時代に頑張ったエピソードを伝えるもので、物事に対する取り組み方、成長の過程、困難をどう乗り越えたかなどのプロセスを伝えることが大切といわれています。
過去か未来でいうと、「過去の話」って感じです。

また、自己PRは、自分の強みや人柄、長所をアピールするもので、会社の求める人物像に自分があっているか、どんな伸びしろがあるか、自分のセールスポイントを伝えることが大切となります。
過去か未来でいうと、「未来の話」ですね。

作成の進め方とコツ

作成にあたってのポイントは、以下の2つ。

①採用担当者が見ているのは「自己分析力」
②具体的に伝えること

企業がガクチカを聞く理由としては、「物事に取り組む姿勢を知るため」結果ではなくプロセス=過程を知るため」であり、採用担当者や面接官には具体的に伝える必要があります。

また、自己PRを聞く理由としては、「その人のポテンシャルを知るため」「自分のことを知れているかを、知るため」でもあります。
「自己分析」に取り組んだ結果を伝えるのが面接でもあるため、文章を作成する前には「事前準備」も大切となってきます。

強みをPRすること

ガクチカや自己PRを作るにあたっては、以下3つのコツを意識することが作成をうまく進めるための秘訣でもあります。

①学習スタイルを活かす
発達障がいのある方は、以下の表のとおり「強み」があり、それを活かした作成が1つ目のコツとなります。
・ひとりで取り組む
・目で見て理解する
・律義さ、几帳面さ
・細部に注目して、1つ1つ取り組む
・好きなことに没頭する

②苦手は強みに変換する
苦手なことは、リフレーミングの発想も活かして「強みに変換」が大事な視点になります。
「物事の細部が気になり、全体が見えなくなる」→「誤字脱字等の細かいミスを見つけることが得意」
「仕事を一人で抱え込みやすい」→「物事を最後までやり遂げる、責任感を持っている」
「じっとしていられず、集中力がない」→「さまざまな物事に興味・関心を向けることができる」

苦手→強みへの変換は、一人で考えるだけでは進めにくさを感じることもあるように思います。
キャリアセンターや学生相談の先生、通院先のドクターや心理士の先生、就労支援の支援者など、誰かに相談をしながら苦手→強みにすることで、言葉の変換もしやすくなるように思います。

③配慮事項を伝える
障害者雇用促進法では、採用時における合理的配慮の提供が義務付けられており、お願いしたい配慮事項を伝えて良い権利があります。
苦手な部分は、ひとりで抱え込みすぎず、応募書類や面接時にお願いできそうなことは会社に話しておくのも1つ方法です。
「文字を書くことが苦手」→「パソコンを使わせてもらう」
「口頭指示だけでは、理解しづらい 」→「写真や図入りのマニュアルを作るor作ってもらう
、実演を交えて業務を教えてもらう」
「勤務時間の曜日や時間がバラバラだと、体調管理がしづらい 」→「できるだけ同じ曜日、同じ時間(固定)してもらう 」

配慮事項の例文(ご参考)

以下は、実際に作成された文章を参考にした例文です。

Aさん
【会社にお願いしたいこと】
(1)暗黙の了解や、身のふるまい方が分からず、戸惑ってしまうことがあります。また、緊張しやすいので、新しい環境に慣れるまで時間が必要です。
(2)集中しすぎて時間を忘れてしまう傾向がありますが、タイマーを使って把握できるように対策しています。

Bさん
【会社にお願いしたいこと】
(1)変更をされる時には、事前にお知らせいただけると幸いです。急な予定変更がある時は、理由を教えてもらえるとより安心して作業を進めることができます。
(2)初めての作業は手順を覚えるのが苦手なので、手本などを見せていただきながら教えて頂けると、より正確に作業が進められます。

まとめ

「強み」は「ガクチカ」「自己PR」へ。

「弱み」は「配慮事項」へ。

自分のことを客観視しながら自己分析することは、一人ではなかなか進めづらいと思います。
ぜひぜひ、誰かと一緒に作成することで、良いものを作り上げてもらえたらと思います。

 

 

+++++++++++++++++++

コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
アバター画像

ジョブジョイントおおさかの所長。
障がいのある人の地域生活支援の仕事をして15年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの支援に携わってきた。趣味は、登山、散歩、読書。現在は、北アルプス登頂目指してマイペースにトレーニング中。