第6回の実践報告会を開催しました!
先日の12月6日(水)、第6回目となる実践報告会を開催しました。昨年に続けて立命館大学にある立命館いばらきフューチャープラザで開催させていただき、90名の定員はあっという間に満席となりました。たくさんの方にご参加いただき、心より御礼申し上げます。
主催者側ではありますが、今年も本当に良い会となりました。熊谷先生にご登壇いただけて本当によかったです。
簡単ではありますが、開催報告と感想をお伝えさせていただきます。
社会モデルと就労支援
第一部の熊谷先生の基調講演は、たくさんの配布資料でボリューム満点のご講演でした。個人的には、3時間ぐらい聴きたかったです。
先生のお話は、「社会モデル」から始まり、障がいは個人に起因するものではなく、「社会側にある」との考えのもと、講演内容が深掘りされていきました。先生が働き始めた社会人1年目の話も織り交ぜてくださり、そこでの知見を分かりやすく解説していただきながら、ご講演は社会側、企業側、組織のリーダーシップなどへと展開されました。
講演では様々なキーワードを示してくださいましたが、特に印象的な言葉は「心理的安全性」でした。
心理的安全性のある職場では、チームによる労働生産性や個々のパーフォーマンスに違いがあるとのことで、障がいの有無に関係なく、「働きやすい職場とはなにか?」についてもたくさんの問いをもらえたように思います。
また、基調講演ではたくさんの研究データを用いて解説もしてくださいました。先生も取り組んでおられる「当事者研究」についてもご紹介くださり、専門家や研究者が当事者の方を知る(研究する)よりも、当事者の方とともに共創することに当事者研究の意味があると改めて学ばせてもらいました。
毎年の実践報告会では、「ご本人に登壇をお願いする」が僕らにとってのキーワードになっています。ご本人の話から、ご本人の感じ方や考え方を知る機会になり、それが就労支援に携わるものとしての学びにも繋がると感じています。先生の基調講演は、実践報告会の開催を後押しする講演内容であったようにも感じて、とても学びの多い時間となりました。
2つの実践報告
第二部は、ご本人お二人に登壇いただき、実践報告というよりはお二人の「今」を発表していただきました。お二人とも期待以上の内容で、個人的にはたくさん自己満足させてもらいました。二人の発表は、本当に良かったです。
内容の詳細は省きますが、ジョブジョイントおおさかに通所していた時の話から就職当初のこと、働き続ける中で感じること、工夫や対処法、これからのことなど、お二人は多くのことを語ってくださいました。
話の中では、働き続けることでご本人の中での自己理解が少しずつ変化されているようでした。働く中での工夫や対処法が少しずつカタチになり、ジョブジョイントおおさかの定着支援、定期面談での相談や助言は、工夫や対処法を後押しすることにもつながっていたようで、長く働く中での変化や成長がたくさん伝わる発表でもありました。
また、就職先企業である多根総合病院のご担当者にも登壇していただきました。企業における職場づくりや人材育成のあり方をご紹介いただき、求める人物像についての話もありました。「誠実であること」は職場にとって大事な要素のようです。周りとともに働く上での大切な視点を教えていただいたように思います。
次回の開催に向けて
昨年は、大湫病院の児童精神科医の関先生にご登壇いただきました。1月の開催でもあって当日は大雪で大変な状況でしたが、開催自体は先生のご講演の良さが参加者の満足度の高さにも繋がり、基調講演+実践報告の流れは僕らスタッフにとっても充実感ある時間でした。
今回の第6回においても、前回同様にとても充実した時間になりました。熊谷先生の基調講演のお話が第二部の実践報告の内容とうまく接続し、第三部の質疑応答で熊谷先生から2つの実践報告の講評をもらい、ご本人の話や実践報告の内容に付加価値がついたように思います。
毎年、基調講演は僕らが学びたいことを含めて講演依頼をさせてもらっていて、毎年の実践報告会はある意味で僕らの勉強の機会として開催している気もします。そうなると、やはり自己満足で開催してしまってる気もしますが、ご参加くださった関係者の方々からは今年も大満足の声をたくさんもらい、事業所として大事にしていること、尊敬する先生の考え方や教えを会場で一緒に共有できたことは、何よりも嬉しい時間でした。
さて、来年はどんな会になるでしょうか。来年度の開催に向けて、担当する職員の皆さんと企画を考えてたいと思います。来年の第7回もどうぞご期待ください。
参加者の皆さま、ご登壇の皆さま
本当にありがとうございました!