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【toiro】猫に学ぶ発達障がい21・ちょうどいい距離感

急に底冷えのするようになった昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか。我が家の人間たちが厚手のパジャマを着始めたのと時を同じくして、猫も暖かい場所を探しはじめたようです。夜は父の布団にもぐり込み、朝はストーブのそばに敷いた毛布にくるまっています。とはいえ、温もりがあればなんでもいいのとは違うようで、母になでまわされそうになったときには前足を突っ張って押しのけていることもあります。

猫は自分のしたいようにしています。それでいて、家族との距離感を保つのも実に上手です。猫を見ていると、自分の考えを伝えることと、周囲とよい関係を築くことは両立できるのだなとしみじみ感じます。

私たちは、周囲に気兼ねして自分の行動を決めることがあります。それらは相手の期待に応えたい、好かれたいといった気持ちから生じます。おかげで成り立つ共同生活ももちろんあるのですが、度を超すと必要以上に消極的になったり、不満を抱え続けたりすることになりかねません(おかしな形で爆発してしまうこともあります。)
相手の考えが大切であるのと同じように、私たち自身の考えも大切なものです。最初からあきらめたりわかったつもりになったりしないで、目の前にいる相手を見、話をすること。自分の意見を抑えてしまうのではなく、適切に伝えるための言葉遣いや話し方を学ぶこと。私たちが人間同士で関わるときにも、とても大切なことかもしれません。

とはいえ、猫はそうしたことを教えようなどと、教訓めいた気持ちを持っているわけではなさそうです。抱っこをねだるのも腕から抜け出すのも、猫自身がしたいことをしたいときに、のびのびと伝えているだけのこと。私が今回お伝えするこのお話も、猫にとってはいらぬおせっかいというやつなのかもしれません。
皆さまもどうか、自分の考えを大切に、よい年末をお過ごしくださいますよう。

 

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。