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【toiro】約束を守ること

今回は、発達障がいの人だけの話ではないかもしれません。

発達障がいであってもなくても、約束をすることはありますよね。「約束を守ることは何を表しているのか」に関する、私の思い出のお話です。

 

あるとき私の留守中に、母が私の部屋に入ったことがありました。私の部屋には私がいるときにだけ入ってほしい、と約束していたのですが、母は何気なく部屋に入りました。帰宅後そのことを知った私は泣き出しました。途中から自分でもびっくりするくらいの泣きっぷりでした。

「部屋に入ったくらいで、何もそこまで」とお思いかもしれませんね。説明をさせてもらうと、私は「母が部屋に入ったこと」が嫌だったのではありません。「母が約束を破ったこと」が辛かったのです。

 

以前私は、母の持ち物を捨ててもいいか訊ねて、やめてほしいと言われたことがありました。それ以来、私は母の持ち物が共有スペースに広がっているときは、机の端に寄せることにしていました。私には価値がわからなくても、母にとって大切なものなら、できるだけ尊重しようと考えたからです。

泣いていたとき、私の頭にあったのはこのことでした。

お互いの希望を尊重すること、約束が大事だと思っていたのは私だけなのか。この調子なら私はこの先、何も信用できなくなるじゃないか……ということを母に伝えました(べそをかいていましたけれど)。幸い母は納得してくれました。

 

約束を守ることは、信用を守ることです。

私たち発達障がいの人には、例外も多いかもしれません。予定外の事態や心身の急な変化に遭いやすいことから、約束を破ってしまうことはあります。それでも本来、私たちにとっても、約束はそういうものです。

身近な人との間だからこそ、約束は守ること。守れそうにない約束だとわかったら早めに伝えること。間違ったら素直に謝ること……私が間違ったときには、このことを思い出そうと考えています。

 

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。