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【toiro】好きなことはいつ再開してもいい、という話

「絵を描いてみようかな」こう思い立って、私が本格的に勉強をはじめたのは最近のことです。先生に学び始めたのがここ一年の間となれば「つい最近」でもいいかもしれません。

 

じゃあ絵に興味を持ったのも最近なのか?

実はそうでもありません。保育園に通っていたころには、図鑑の絵を真似して遊んでおりました。小さく切った画用紙に金魚の絵を描いて綴じ、お手製の図鑑をつくっていたくらいです。

どうして何十年も、絵を描くことをやめていたのでしょう?

 

答えは実にシンプル「同級生に変な絵と言われたから」。小学生になってまもなく、同級生に出した年賀状の絵をからかい交じりに笑われたことがきっかけでした。

傍から見ればありうる出来事ながら、当時の私はいたく落胆。そのころ既にあった自閉症スペクトラム特有の思い込みもあり「絵なんか描いても仕方がない」とまで考えてしまいました。その後は学校での勉強のほうへと、打ち込む対象を変更。自分の手で好きなことを手放してしまったわけです。もったいないことを。

 

それから時は流れて二十余年。躁うつ病になったり自分が発達障がいだとわかったり、現在のお仕事に落ち着いたり……怒涛の変化が過ぎたあと、流れ去った様々な思い込みの下から、絵を描く楽しみが再び顔を出すことになりました。

考えてみれば、人に笑われてショックを受けたってことは「上手に見られたい」ひいては「上手になりたい」って気持ちもあるってことです。上手になりたいし楽しいのなら、勉強する理由は出そろった! そんな納得を経て、現在の私の本棚には、ちょっと上質な鉛筆とクロッキー帳が加わることになりました。

 

皆さんには、昔にやめてしまった何かはあるでしょうか。その何かは、今でも楽しいもの、好きなものでしょうか。

 

もし今も好きだったら、様々なことが変化している昨今の機会に、再開してみるのもいいかもしれません。

だって昔の自分と、今の自分はすっかり変わっています。当時やめる原因になったことは、今となっては取るに足らないもの……そんなふうにわかることだってあるわけですから。

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。