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【toiro】話が食い違うのはよくあること

「話の食い違い」。おなじみコミュニケーションにおけるよくある問題、発達障害当事者にとっては鉄板の難題と言ってもいいでしょう。気をつけていても何故だか起こる食い違い。どうやってなくせばいいのでしょう?

 

結論から言います「たぶんなくなりません、起こったときの対処を考えましょう」。

そんな馬鹿な! と嘆かれた方、私も同じ気持ちです。本当にそうなのか確かめるために、例を挙げてみましょう。

 

日本の人とイギリスの人が、それぞれ「お茶」「tea」の話をしているとします。話はつつがなく進みます。辞書を開けば、お茶とteaは同じものを指すことになっていますからね。ですが実際にはどうでしょう。「お茶」という言葉を口にするとき、日本の人が思い描くのは緑茶やほうじ茶のことです。一方でイギリスの人が思い描く「tea」は紅茶です。実際にそれぞれの「お茶」「tea」を持ち寄ったら、想像との違いに驚くことになります。

 

これは特別な例でしょうか? 実はそうでもないようです。

 

なぜなら私たちは、それぞれ全く違う環境に取り巻かれて過ごしているからです。言葉はその人が暮らす環境……地理や住む家、来ている服から毎日の飲み物まで、身の回りの様々なものと強く結びついています。環境の影響を強く受ける言葉が、それぞれ違う環境を持っている人どうしの間で、まったく同じものを表せるでしょうか? ……お察しの通り、そっちのほうがまずありえませんよね。

別の言い方をすれば、言葉とは「それぞれ違う環境で過ごしている人どうしが、それでも意思疎通が必要だから決めた、あいまいな約束事」だと言えるのです。「お茶」と「tea」が実際の生活においては違うものを指しながら、辞書のなかでは同じ意味と書いてあることからもわかるように。

 

こんな背景を考えてみれば、言葉を用いた話に、食い違いが生じるのはむしろ自然なことです。厳密な決めごとをしようとすればするほど、言葉が抱えるあいまいさによって、食い違いは生じやすくなることでしょう。

 

食い違いが見つかったら、改めて正しい内容を確認すること。どこで、なぜ食い違ったのか確かめて、二度目がないよう工夫すること。言葉だけでなく絵や写真も組み合わせて意思の疎通を行うこと。発達障害であろうとなかろうと、必要なことはこれくらいなのでは? という気がしてきます。

 

皆さんはどう思われますか?

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。