【toiro】花が咲くまでに考えること
みなさんは、植物を育てたことはおありでしょうか。
観察日記の定番アサガオ、水栽培のおともにヒヤシンス。私は小学生のころ、花が咲くのを楽しみにしていたものです。
きれいな花が咲くようにと、自分なりにいろいろ試しておりました。土を整えて、水をやり、日当たりにあわせて鉢を移動する。こまめに育てた方なら、詳しくご存じの方もいらっしゃることでしょう。
さて、そうして花を世話している人がいたとします。
花びらの色、花のつき方、剪定の方法……「花」のことだけ一生懸命に勉強している人がいるとしましょう。その人の花は無事咲くでしょうか?
お察しの通り、たぶん咲きませんよね。先にお話しした、詳しくご存じの方なら、こんなアドバイスをするかもしれません。
「こうしたらいい種が選べるよ」「土に栄養剤をさしてみたらどうだろう」「水はけをよくしたほうがいいんじゃないかな」……。
花の話をしていると、種の話、栄養の話、土の話も必要になります。最初に想像するよりも考えることが増えてきて、これ本当に必要かな? なんて考えることもあります。
二次障害が激しいときの私も、まさに同じようなことをやらかしたことがあります。
食事、掃除、勉強や明日の準備……日常生活のペース配分を間違えて、目の前の勉強に熱中し、結果動けないくらい疲れてしまうことも、今まで何度もありました。
それでも全部投げ出してしまうことがなくなったのは「花が咲くまでに考えること」を、身近な人たちから教わることができたから。毎日の生活を維持することも、目的達成のために必要なことだと、実感するようになってきたからです。
花が咲くまで世話をするように、自分の世話をすることが、少しはできるようになったのかもしれません。
+++++++++++++++++++
コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。
発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。