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【toiro】「平均値は位置情報」

「平均なんて人はいない」。私の父が話しておりました。何かにつけて普通から逸脱しがちな私、もとい発達障がい当事者の生活において、支えのひとつにもなっております。
うっかり「普通」と同じように使ってしまった、この「平均」という言葉。新聞にもニュースにも、当たり前のように出てきますが、正確にはいったい何を表しているのでしょう。思い立ったが吉日と、この度、急いで調べてみました。

というわけで基本からお話しします。わかりやすい例にならって、平均点を出すための式がこちら。
「複数の数値の合計÷数値の個数=平均値」
お気づきの方もいらっしゃることでしょう。平均値の表していることは「平均値×数値の個数=複数の数値の合計」ということだけです。びっくりするほどシンプルです。

当たり前じゃないかって?
しかるに平均という言葉だけ聞いて、皆さんどう感じるでしょう。平均の人数が一番多い? 平均以上だとなんとなく安心? そんなことは全くありません。
例えばテストで、1人が100点、1人が80点、5人が40点、4人が30点を取ったとき、平均点は50点です。誰一人50点を取っていませんし、平均点以上は2人だけです。
平均値を出す数式は「数値の分布が対称的な時に限って、全ての数値を考慮しつつ、中心の値を簡単に見つけることができる」方法なのです。

平均の人がいないのは当然です。だって平均値は位置情報なのですから。集団の中で「どのへんに重心があるか」を表す情報が、誰かを直接表すことはありません。   
たまたま特定の条件のとき、指し示した先に、ちょうど人がいることもある……平均値が言えるとしたら、それくらいのことなのです。

「平均」は「普通」とは違っていました。それどころか人を表す情報でさえありませんでした。
私をはじめ、個性豊かな発達障がいの方にとっては平均よりも「自分に合ったやり方」を気にかけるほうが、何かと近道なのでは? と考える次第です。

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。