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【toiro】インカのめざめの見分け方

タイトルについて、植物に詳しい方はピンときたかもしれません。インカのめざめはじゃがいもの品種です。小さめで丸っこい形、濃い黄色の中身をしています。

なにも今回、じゃがいも講座を開こうと言うわけではありません。彼らのおかげで再確認できた、とあるエピソードをお伝えしたいのです…。「人間にはそれぞれ特徴がある」「その特徴とは往々にして、自分では気づきにくいものである」と。

 

先日、我が家に、じゃがいもの山が届きました。今年畑に植えるため、日なたに並べて芽を出させていた種芋です。

問題なのはここからです。品種ごとに分けてあったこの芋たち、何らかの手違いで、全部ひとまとめにされてしまったというのです。混ざった芋はインカのめざめのほか、シャドークイーンにノーザンルビー、デスロイヤーなんて品種もあわせて4種類。両親はとっくに分別をあきらめておりました。

 

私は両親の許可を得て、じゃがいもたちをより分けられないか試してみることにしました。どの芋をいくつ用意したか、記録のメモと見比べながら、仮説を立てていきます。

1種類だけ芽の色が紫のものがある。小さくて丸っこい形で、インカのめざめの記録の個数と一致するものがある……そうこうしているうち、じゃがいもの分別はいつの間にか終わっていました。

 

仕分けが終わった後、私は次のことに、母から言われて初めて気がつきました。

「じゃがいもの形や芽の色といった、細かい違いを見分けられること」

「答えが出ないかもしれない謎解きであっても、考えるという過程を楽しむために取り組めること」

じゃがいもの形や芽の色の違いも、考える過程を楽しむことも、私には自然なことでした。そう、当たり前でした。あまりに当たり前のことすぎて、両親にはそれが困難だなんて、まったく思いもよらなかったのです!

 

「私は何ができるだろう?」……この質問を、自分自身で繰り返すよりも、身近な信頼できる方に聞いた方がいいとされるは、こうした理由からくるのです。

ですから「自分には何もできないのかも」と不安に思われる方は、ぜひ周りの方の意見を取り入れることをご一考ください。皆さんが息をするように簡単に思っていることが、他の人から見たらとんでもなく難しく見えることは、案外よくあることのようですから。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。