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【toiro】猫に学ぶ発達障害5・隠れるのもマナー

ときに皆様、猫はお好きでしょうか。私は好きです。我が家の猫も、私のことを好きだと思われます(こればっかりは断言できませんが)。

尻尾を立てて足元にすりよってきたり、仕事中のキーボードの上でゴロゴロいいながら丸まったりしているところは、時間を忘れるぐらいに心なごむ光景です。

 

しかし猫にも猫の都合あり。人間とずっと一緒にいたいわけではないようです。

そういうとき触りに行くと大変です。身をちぢめて遠ざかろうとしたり、前足でひっぱたいたりするのはまだ可愛いほう。最後にはガブリと噛みついたまま「ヴヴヴヴヴ」と唸り声。まるで小さな猛獣です。

こうした態度から、犬と比べて「猫はきまぐれ、自分勝手」と言われるようです。発達障害当事者の私たちにとっては、どことなく耳の痛い言葉ですね。

 

しかし本当にそうなのでしょうか。生態を調べてみると、猫はふだん、1匹で行動するのが自然の状態。犬のように群れで行動するための性格を、そもそも持っていません。気が向かないときに距離を置くのは、猫にとって、本気の喧嘩を避けるための一種の社交術なのです。

つまり猫からすると、自分が離れようとしているにもかかわらず近づいてくる人間は、とんでもないマナー違反。喧嘩を売っていると判断しておかしくない行動だというわけです。

 

「好きなら一緒にいたいはず」「好きなら話を聞いてくれるはず」……これらはすべて「考えている本人にとっての真実」だってことは、これでおわかりいただけるでしょう。動機は同じでも、どう考え、どう行動に移すかは、生き物によって、そして人によっても違います。

 

発達障害当事者の私たちは、猫のようにパンチして相手を追い払うわけにはいきません。それでも、疲れてしまったとき、そっとその場を離れることはできると考えております。自分も、そして相手にも心地よく過ごしてほしいという動機は、ちゃんと根底にあるわけですからね。

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。