【特別コラム】自閉症の人との出会いとこれから
この仕事に就いて20年ちょっと。振り返ると、本当にたくさんの自閉症の方やご家族との出会いがありました。
私の社会人としてのスタートは長野市。最初に関わったのは、比較的障害の程度が重い自閉症の方たちで、生活の支援や余暇のサポートなど、日々を一緒に過ごす中で、たくさんの思い出があります。ご家族の方にもたくさんお世話になりましたし、現場で必要なことの多くを教えていただきました。
正直、20代のころは、自閉症の特性をきちんと理解して支援できていたかというと、自信はありません。でも、一人ひとりの様子を見ながら、その人に合った支援を試行錯誤しながら行っていて、それはそれで大切な学びの時間でした。
現在の社会福祉法人北摂杉の子会で働くようになってからも、変わらず自閉症の方との出会いはたくさんです。特に、就労を目指す方々との関わりが増え、誠実で素直で真面目な人柄に、支援者としてこちらが惹かれることはとても多いです。
利用者の方の働きたいに応えるために就労支援を行い、利用者の方への支援に限らず、自閉症の方と職場を繋ぐことの大切さを感じ、最近は、「自閉症の人たちの良さや強みを、地域社会に伝えていきたい」と強く思うようになりました。
「恩返し」というと大げさかもしれませんが、自閉症の方やご家族からたくさんの学びと成長をもらってきたからこそ、「理解啓発」は自分の仕事の中でとても大切なことだと感じています。
これからも、自閉症の方との出会いを大切にしながら、地域社会にとって必要な支援や取り組みを、事業所としても、支援者個人としても、続けていきたいと思っています。

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2021年より、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムを続けています。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障害のことをお伝えしています。
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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。


ジョブジョイントおおさかの所長。
障害のある人の就労支援に携わって20年となり、講演実績は150件。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援なども担当してきた。趣味は、散歩、読書、キャンプ、ハイボール。夢の北アルプス登頂を目指してマイペースにトレーニング中。