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【特別コラム】頑張りすぎてしまう背景にある想像力やこだわりの特性

特別コラムは今日で3日目。ぜひぜひ過去のコラムをご覧いただけたらと思います。

さて、今日は「頑張りすぎてしまう」がテーマ。専門家の先生からの教えでは、「過剰適応」「カモフラージュ」などと表現されたりもします。

周囲の環境やコミュニティに対して過剰に適応しようと努める「過剰適応」
周りの環境や状況にうまく溶け込もうと努める「カモフラージュ」

どちらも、頑張りすぎてしまうことから起こりうるものでもあり、それは、自閉症の人自身にとっても気付きにくく、客観視しづらいこともあって、努める(努力する)が長く続いてしまうことによる本人への負荷は計り知れないものでもあります。

頑張りすぎてしまう背景には、「想像力の特性」が関係しているといわれています。
昨年、第7回ジョブジョイントおおさか実践報告会で基調講演をしてくださったよこはま発達クリニックの宇野先生にも教えていただきましたが、想像力の特性は以下があるといわれています。

・計画をうまく立てるのが苦手
・計画通りに進めることにエネルギーを使ってしまう
・臨機応変に、柔軟に、行動するのが難しい
・気持ちの切り替えが苦手
・ほどほどに、適当に(要領よく)、が理解しづらい
・完璧を目指してしまう
・困ったら相談するが難しい

これらの特性は、「見えない特性」でもあるために、周りも理解がしづらく、適切なサポートへの繋がりにくさにもなっています。

特性ゆえの苦手な場面が続いてしまうと、頑張って努力して乗り越えようとする力が強くなる一方で、その場面が続くことによる精神的な負担も強まり、抑うつや不安症へと繋がることもあると研究データでは明らかになってきています。(*第7回実践報告会の資料より)

自閉症の人は、「明確なこと」「具体的なこと」「経験したこと」「視覚的なこと」を好みます。
周囲との関係性を築くことやその場に適応することは、曖昧なことも多いため、その場で求められることがもう少しハッキリするとご本人の負担も軽減されるように思います。

「頑張りすぎていないか?」

自閉症の人と学校や職場で一緒の際、周り人たちのほうで気にかけたい視点です。
周囲環境や世の中のことが自閉症の人にとってわかりにくいのなら、分かりやすい環境を整えること(環境調整)がまずは大切なように思います。

特別コラムはこちら

2021年より、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムを続けています。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障害のことをお伝えしています。
詳しくはこちら。

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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障害のある人の就労支援に携わって20年となり、講演実績は150件。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援なども担当してきた。趣味は、散歩、読書、キャンプ、ハイボール。夢の北アルプス登頂を目指してマイペースにトレーニング中。