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【特別コラム】自閉症とは?~特性には一人ひとりの違いがある~

4月2日は「世界自閉症啓発デー」。この時期になると、街のランドマークが青色にライトアップされたり、自閉症に関するイベントが各地で行われたりします。大阪城も通天閣も、きっと今日は青色です。
今年はあらためて、「自閉症とは?」について書いていきたいと思います。

*以前のブログはこちら

自閉症とは、先天的な脳機能に関する特性のことです。最近では「自閉スペクトラム症(ASD)」という名前で診断されることが増えてきました。社会性や対人コミュニケーション、想像力、感覚の感じ方などに特徴があり、先天性なので生まれつきのものでもあります。親の育て方や性格、努力不足のせいではないことは、ここできちんと強調しておきたいと思います。

さて、自閉症の人について、「得意なこと」と「苦手なこと」で考えてみたいと思います。

▼得意なこと
・ひとりで集中して取り組むこと
・目で見て理解すること
・経験をもとに覚えること
・ルーチン作業や決まったやり方を繰り返すこと
・細かいところに気づいて丁寧に進めること
・好きなことへの集中力が高いこと

▼苦手なこと
・集団での活動
・曖昧な指示や抽象的な表現の理解
・初めてのことを想像して行動すること
・柔軟にやり方を変えること
・音や光などの感覚に敏感(または鈍感)なこと

いかがでしょうか?
自閉症の人に限らず、上記の「得意」「苦手」に当てはまる人はそれなりにおられるのではないでしょうか。僕も当てはまることはそれなりに多い気がします。

ここでのポイントは、自閉症の特性は「得意・苦手がはっきりしていること」、そして「人によって違いがある」ということ。同じ診断名であっても、特性の現れ方や強弱は個人差があり、自閉症とひとことで言っても、実際には一人ひとりが全く異なる特性があるのが大事なところになります。

自閉症がある・ないに関わらず、誰しも得意なことと苦手なことがあるのと同じです。私たちは「自閉症」という言葉だけにとらわれず、その人一人ひとりをよく知ることが大切なんだと思います。

「一人ひとりに違いがある」という当たり前のことを、改めて大切にする4月2日にしたいです。

特別コラムはこちら

2021年より、世界自閉症啓発デーに合わせた特別コラムを続けています。簡単な説明ではありますが、自閉症・発達障害のことをお伝えしています。
詳しくはこちら。

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コラムtoiroは、発達障害やコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障害のある人の就労支援に携わって20年となり、講演実績は150件。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援なども担当してきた。趣味は、散歩、読書、キャンプ、ハイボール。夢の北アルプス登頂を目指してマイペースにトレーニング中。