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【toiro】実録発達障がい23・やっぱり相貌失認

「相貌失認(そうぼうしつにん)」……人を顔で区別することが困難なこの体質と、つきあうこと早数十年。私もある程度うまくやれているのでは? と思えるようになった矢先、そうでもないぞと痛感する出来事が起こりました。さっそくご紹介いたしましょう。

 

ある休日の午後のことです。テレビのついているリビングを通りかかった私は、母に話しかけました。

「今日はロケ地に合わせて、落ち着いた服装にしていらっしゃるのかな?」
「どういうこと?」

母は不思議そうに振り返ります。
テレビの中では、二人組のリポーターさん、日本庭園の中を歩いていらっしゃいます。
「昨日の夕方のニュース番組では、もっと明るい色の服を着ていらしたから」
「ああ、それは、別のお二人だよ!」

 

おわかりでしょうか。私は、全く別の二人組を、同じ人だと誤解していたのです!
原因は、ただ髪型と眼鏡の有無だけで判断してしまったことです。顔以外のパーツで人を区別している、相貌失認ならではの間違いでした。ああ、穴があったら入りたい。

 

たとえ相貌失認でも、人を区別できるよう気を配ることで、ある程度改善することはできます。しかし今回のように、ふとしたときに人を区別できなくなるのも、目を逸らせない事実です。
相貌失認の体質とつきあうなら、お仕事など公の場に出るときはしっかり準備をしたほうがいい。そして行き当たりばったりを許す休日のうっかりには、寛容になってもよいのかもしれない……そんなふうに考える、冬の日の午後でございました。

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。