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【toiro】敬意のはなし

敬意……うやまう気持ち。感謝や尊敬の念をもって人に接すること。マナーの基本だという方もいらっしゃいます。
なんだって急に、敬意の話なんか始めたのかって? 私たちが誰かと接するとき、多くの場面で役立つことに気がついたからです。

 

まず順当に考えてみましょう。誰かに喜んでほしいとき、言うまでもなく敬意は役立ちます。
感謝や尊敬の気持ちは、自分のことをいったん置いて、相手のことを優先して考えるきっかけになります。どうしたら喜んでもらえるかな? 気兼ねなく受け取ってもらうには? 身近な人に相談したり情報を集めたりもするでしょう。結果、実際に相手に喜んでもらえる可能性は上がります。

 

次はちょっとひねってみましょう。意見を戦わせざるを得ないときです。ここでも敬意は役に立ちます。
自分とは異なるものだとしても、意見そのものが必ずしも間違っているとは限りません。相手の意見に敬意を払う、つまり一度最後まで聞いて自分なりに理解しようとする姿勢は、勘違いや足元をすくわれるといった失敗を防ぐことにつながります。
もっと大事なのはその後です……敬意は、相手を必要以上にやっつけてしまう事態を防いでくれます。私たちの生活において、言葉で相手を負かしたとしても、その後の暮らしは続きます。意見が一度異なったからといって、お互い二度と話したくないぐらいに関係を悪くしたいなんてことはあるでしょうか?

 

「ここに書いてあるような状況ばかりじゃない」「全く尊敬できない誰かに会うことだってある」そうお思いの方もおいでかもしれません。それでも今回お話ししたのは、敬意を払うことが、特に人間関係の問題解決につながるからです。
誰かへの優しさをうまく伝えられないとき。自分の正しさを押し出しすぎて、大切な人を傷つけるのをやめたいとき。まず自分から敬意を払う考え方が、糸口になれば幸いです。

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。