【toiro】実録発達障がい19・一病息災
今回のタイトルは「いちびょうそくさい」と読みます。
「無病で健康な人より、ひとつくらい病気のある人のほうが、健康に気を配るので長生きできる」の意味です。
健康なほうがいいのでは? とお思いの方もおいででしょう。私もそう考えていました。
考えを振り返るきっかけは、母の言葉です。
地方の静かな町で暮らしてよかったという母に、理由を聞いてみたところ、こう返ってきました。
「私は遊ぶのが好きだから、もし楽しい施設がたくさん近くにあったら、今ほど貯金できなかったかもしれない」
なるほど含蓄があります。この言葉を踏まえて、私自身の体調不良を見直してみます。
私は発達障がい当事者です。ついでに持病の喘息もあります。
ですが眠って食べて働いて、治療を受けながら暮らせる毎日は、気長に考えれば穏やかと言えるかもしれません。
「いや、私は毎日とても辛い」「こんなに辛いのに、病気でもいいなんてあんまりじゃないか」との意見もおありでしょう。もちろん病気は根治するのが一番です。
ただ、今のところ、発達障がいは治らない体質です。アレルギーなど、やわらげることはできても根治の難しい体質は数多くあります。
これら解決できない問題と、どうつきあったらいいだろう? この問いに対する答のひとつが「自分の考え方を変える」「よい面を探して目を向ける」ではないでしょうか。
私は病気で外出が難しい代わりに、病床で本を読んで学び、ものごとを深く考える時間を得られたのかもしれません。ちょっとの刺激で症状が出る体質の代わりに、薬を持ち歩き経路を事前確認する、慎重に準備をする習慣を得られたのかもしれません。
……なんてことを、点滴を受けながら病院のベッドで考えた次第です。やっぱり健康なほうがいいのでは?
ともあれ発達障がい含め、何らかの体質や病気とおつきあいなさっている方には、その上でよい毎日になりますようお祈りいたします。
そして、今お元気な方は、健康な毎日を楽しんでくださいますよう(健康診断も忘れずに!)
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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。
発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。