【toiro】実録発達障がい9・まさかのにおいにご注意を

コーヒー、クッキー、雨のにおいに日なたのにおい。私たちの毎日にはたくさんのにおいが溢れています。
たかがにおいと侮れません。発達障がいの私たちの中には、五感が鋭すぎて、様々な影響を受けやすい「感覚過敏」の体質が見られることがあります。そんな私たちにとって、強いにおいは思いがけない影響を及ぼすことがあります。今日はその一例をご紹介しましょう。

先日髪を切りに出かけたあと、私は大変くたびれて帰宅することになりました。
原因は何か。ヘアワックスです。初めて訪れた美容院で使用されていた、柑橘系のヘアワックスのにおいが、私の嗅覚をこれでもかと殴りつけてきたのです。
(じゃりじゃりに砂糖の溶け残ったレモンティーを、頭のてっぺんからかぶったとしても、こんなにおいを嗅ぐ羽目にはならないでしょう）

誰も悪くはありません。美容師さんだって、初対面のお客（私）がそんな体質と予想するのは難しいことです。私もこんな形で嗅覚を攻撃されるとは想像していませんでした。
結局私は、黙っていることを選びました。髪を整える作業はもうすぐ終わりそうで、なにより私の髪は既に、柑橘のにおいでいっぱいでしたから。
自宅への帰り道、私は固く決意しました。帰宅したらまずシャワーを浴びよう。次行くときは必ず、ヘアワックスの使用をお断りしよう、と。

発達障がいの体質ゆえの問題は、避けづらいことがしばしばあります。避けるほかに、「もし問題に出くわしたらどうするか？」「どうやって気持ちを回復させるか？」を、あらかじめ考えておくのもよさそうです。どうしても辛いときは、具合が悪くなる前に、周りの人に正直に伝えたっていいでしょう。
今回の思わぬ体験が、記事をご覧の皆さまの、お役に立てば幸いです。

　

関連タグ：感覚面の特性自己理解

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。