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自閉症の人にとって大切となる「見通し」の話

皆さんは、今日はどんな1日を過ごす予定でしょうか? 社会人の方なら平日は仕事の予定で朝から夕方までやることがびっしりな感じでしょうか? 土日などの休みなら、決まった予定があるというよりは朝起きてから今日の予定を考える感じもあるでしょうか? 学生さんなら学校がある日とない日で内容は違うでしょうし、年齢や立場によって1日の過ごし方は人それぞれであるように思います。

 

自閉症の障がい特性で考えてみると「想像力の特性」があり、「見えないもの」を想像したり理解することが苦手であるといわれています。

「見えないもの」は、考えてみると世の中にたくさんあります。特に、見えないもので「見通し」がもてないものはご本人の安心につながらないために、心配や不安な気持ちを大きくさせてしまいます。

そのため、「予定」「スケジュール」はとても重要です。1日の予定、週間予定、月間予定などは手帳やカレンダーに書き込み、確定してないものであっても「仮の予定」「?〜へ行く」など、スケジュール帳やカレンダーに書き込んでおくだけでも見通しがもちやすくなります。

ちなみに、僕も予定が記載されていることで仕事やプライベートに見通しが持ちやすく、安心につながることは多いです。Googleカレンダーには、その日の予定に加え、毎月や毎年の繰り返しある予定は「繰り返し設定」で忘れないようにしたり、予定と予定の間に「移動」と記載して余裕をもって移動できるようにしたりしています。また、その日にやるべきタクスや予定(例えば、歯医者に電話して予約するとか)もGoogleカレンダーに入力して、通知機能を使って見通し+リマインドをしたりと、Googleカレンダーは色んな内容でたくさん活用しています。

 

また、こういった視覚的に見通しを確認する方法は、もうひとつのメリットがあります。それは、「予定変更に対応しやすくなる」ということです。

これも自閉症の特性にある「想像力」が影響していて、「急な変化変更が苦手」という一面があります。見えないことが想像できないために、変化変更の後にどんなことが待っているかが想像できないために苦手となっていて、これも見通しを示すことで安心につながったりします。

変化変更がある際、「スケジュール帳」「カレンダー」などに当初の予定を削除(×や二重線など)して、その上で新たな予定を書き加えると変更後に何をするかが明確になります。また、削除した変更前予定を別日に行う場合はそれも追記することで、「予定が入れ替わった」と視覚的に理解でき、加えて何度も見直すことで自分のペースで理解を深めることもできます。

 

昨日のコラムにも書いた「視覚的な情報伝達」。これは、今日の内容とも重なっていて、とても大切なポイントです。

「スケジュール帳」「カレンダー」などを活用することで見通しが持ちやすくなり、結果的に変化変更にも対応しやすくなる可能性もあります。ぜひ、自分なりの方法で試してもらえたらと思いますし、自閉症の方の周りにいる人にも、こういった活用方法を一緒に考えてもらえたら嬉しいです。

 

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障がいのある人の地域生活支援の仕事をして15年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの支援に携わってきた。趣味は、登山、散歩、読書。現在は、北アルプス登頂目指してマイペースにトレーニング中。