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【toiro】ピクトさんのすすめ

ピクトさん、正式名称ピクトグラム。映画館の暗闇に輝く非常口に始まり、駅のトイレから空港の案内板まで、国境を超えて活躍する記号です(特に人型のものをピクトさんと呼びます)。東京2020オリンピックの開会式にて、パフォーマンスの一環として登場していたのは記憶に新しいところです。

 

こんな身近なピクトさん、私たち発達障がいの人にも、とても便利なアイテムだということをご存じでしょうか。理由とともに紹介いたします。

 

まず「読むのが簡単」。ピクトさんの表す人体は、丸と長方形の組み合わせで出来ています。実に単純ながら、彼らが人間の動作のシルエットを表していることに、疑う余地はないでしょう。相貌失認(顔のつくりで人を区別するのが難しい性質を持つ)の人や、表情を読むのが苦手な人にも親切な設計です。何しろピクトさんの顔にあるのは輪郭だけです。


次に「描くのも簡単」。ピクトさんを描くのに絵心の有無は関係ありません。お手元の太字のマーカーで棒人間を描けば、自然とそれらしいものが出来上がります。


最後に「言葉が通じなくても通じる」。今回、記事の挿絵でご紹介しているピクトさんがどんな目に遭ってしまったのか、きっと皆さま既におわかりのことでしょう。もし「危険・この先バナナの皮による転倒の恐れあり」との注意書きだけなら、英語を母国語とする方には通じないかもしれません。日本語どうしの会話であっても、言葉だけで説明しづらいときに別の伝え方を提案できるピクトさんは、優秀な通訳者さんです。

 

言葉での説明が難しくなってきたとき、私は手持ちのメモの端にピクトさんを描いてお見せすることがあります。1日が終わった後のメモは、ピクトさんが各所で踊りまわる、愉快な姿になっていることもあります。


皆さまのお手元でも、伝え方のいち方法として、ぜひピクトさんをご活用ください。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がい当事者。お仕事では記事の執筆・イラストの制作・動画制作などを行っています。
ピアサポートグループの活動・講演会への参加などを通して、地方の町から発達障がいに関する発信を行っています。
こちらのブログ「toiro」では、自分自身の体験・身近な方々の体験談に基づいて「日常生活での気づき」「実際に役立った、二次障がいへの対処・予防方法」「猫の観察記録から学んだ、発達障がいとのつきあい方」などの記事を作成しています。