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【toiro】自閉症の特性を活かして褒める ~結果よりもプロセスを大切に~

先日、万博記念公園を訪れる機会があったのですが、木々の若葉の新緑がキラキラと鮮やかで、とても美しかったです。暑すぎず、寒すぎずというこの良い季節に、森林浴でリフレッシュなんていうのはいかがでしょうか。ただし、これからの季節は紫外線対策を忘れずに…

 


さて、今回は子育てで上手くいったこと…というか、専門家から聞いた話の中から、なるほどと思ったことを自分が実践してみた結果、これはやって良かった…と思えることをお伝えしようと思います。

 

突然ですが、皆さんは小学生の子どもがテストで100点満点を取ってきたら何と声をかけますか?「すごい!えらいね~」なんて言いませんか?…言っちゃいますよね。我が子が優秀であれば親としては嬉しいものです。子どもだって、大好きなお母さんに褒められたら嬉しいですよね。ただ「100点はすごい。100点だと褒めてもらえる」ということが積み重なっていくとどうなるでしょう。子どもは次第に100点を取ることに価値があると考えるようになってきます。ちょっとミスをして90点だとしても、必要以上に落ち込んだり、次第に「100点取れない自分はダメな子だ」と思うようになってしまうといいます。そこで、「わぁ残念だったね。次は頑張って!」なんて言われようものなら、認めてもらえなかったという気持ちが残り、益々プレッシャーがかかってしまう可能性があります。
しかし、皆さんもご存知のように100点なんて、中学・高校になってくればそんなに簡単に取れるものではありません。そうなると、親から褒められたいと強く思っている子どもほど、親の期待に応えられない自分を責めてしまうことになるというのです。

ここからが大切なことです。皆さん、自閉症の特性を思い出してみてください。

「〇か×かの白黒思考」「習慣を変更するのは苦手」などがありましたね。そんな真面目な彼らに、前述のような価値観が身についてしまったらどうなるでしょうか? 結果は容易に想像できますね。

 

人は自分の行動に対して褒められる、認められるという嬉しい経験をすると、自然とその行動は増えていきます。それをうまく利用して、こだわって欲しいと思う行動を褒めてみましょう。すると自閉症のこだわりが強みとして生きてくると思うのです。

 

では、100点を取った場合どう褒めれば効果的なのか…「がんばったんだね~」「努力の成果だね、おめでとう」というような100点という結果ではなく、そこへ行きつくまでのプロセス、本人の努力を誉めるのが良いのではないでしょうか。それを積み重ねて「頑張ったら褒められる。努力をすれば認められる」というような価値観が生まれてくれば嬉しいですね。

言葉にしてみれば、ちょっとしたニュアンスの違いなのかもしれませんが、子どもにとってはとても重要なことです。しかし"言うは易し行うは難し"、ましてやすぐ結果の出るものではありません。大事なのは、失敗してもよいので、あきらめないで続けることだと思います。

 

親の一言が、その子の価値観を育てていくのに大きな影響を与えるということに気付かせていただいたこと、自閉症の特性を活かせる子育てのヒントをいただいたことに感謝しています。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がいのある二人の成人の母+就労支援事業所の支援員。
2人を育てた経験を活かし、自閉症スペクトラム支援士、ペアレント・メンターとしても活躍中。
最近は、ドラマを見ながら眠ってしまって結末が見れない母のために、それを見越して、そっと録画予約をしておいてくれる優しい息子と娘に感謝する毎日です。