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【toiro】発達障害の就職活動、ポイントは「強み→自己PR」「弱み→合理的配慮」

ご本人に、就職活動のことを後から振り返ってもらうと、どの人も皆、「よくない思い出」とコメントされることが多いように思います。先が見えない中、見通しが持ちづらく、出口のないトンネルにいるような感覚でもあり、ジョブジョイントおおさかを利用していた期間の中で一番苦しかった時期でもあると、聞くこと多いです。

就職がなかなか決まらないことが焦りに繋がり、自信がなくなってしまうこともあるようですが、それに加えて、応募書類の作成や面接対策も大変だったようです。自己理解を深め、企業の人に分かりやすく文章を書き、分かりやすい言葉で話せるように面接練習することは、時間と労力が多くかかり、ストレスもたくさん感じるんだと思います。

 

発達障害のある人は、得意なことと苦手なことに差があると言われていて、能力のアンバランスさがあるのが特徴でもあります。差がある分、得意なことと苦手なことがはっきりしてるといった特徴もあるため、それらを書類や面接できちんと会社の方に伝えることは、重要なことなように思います。その際、自己理解を深めておくことは大切で、まずは「得意・苦手を整理すること」に努め、その上で「得意→PRすること」と「苦手→配慮をお願いすること」に分けて考えていくと、書類作成も少しは進めやすくなり、面接対策も考えやすくなったりします。

 

得意(強み)を活かすことは、前のtoiroでも書きました。自分の「強みの特徴」と「仕事の特徴(求められること)」がうまくマッチングすれば、「強みを活かす」に変化します。その可能性を自己PRで表現することができれば、強みを評価してもらうことも高まるように思います。

また、苦手(弱み)は「配慮をお願いしたいこと」として、きちんと企業に伝える必要があります。障がい者雇用促進法には、「合理的配慮」に関する記載があり、「企業は過重な負担とならない範囲で配慮事項を検討すること」「本人と企業で話し合って検討すること」などと、法律上で取り決めがされています(「」の表現は、法律上の言葉とは違った形で書いています)。これは、障がいのある人の権利を守るための取り決めでもあり、履歴書やプロフィール表などに「配慮事項」を書き、面接においても書いた内容と同様に口頭でお願いすることは大切なことです。ただ、配慮事項をたくさん書くと企業も困ってしまうこともあるでしょうから、「2~3個程度の配慮事項」が適切な量なように思います。

 

就職活動を進める際、「強み→自己PR」に変換し、「弱み→配慮事項」として就職先企業に伝えることは、無理なく自分なりに働くことにきっと近づくと思います。「就職」という一旦の区切りが決まるまでに時間を要することもありますが、「強み」「弱み」をうまく情報整理して、時には、家族や支援機関の人と一緒に話し合いながら企業への伝え方を探ることで、就職活動も少しは取り組みやすくなるはずです。

自分をどうアピールするかは、一人ひとりスタイルが違っていいわけですし、得意と苦手をどのように変換して就職活動に活かすかも、人それぞれで良いと思います。自分なりのアピール方法も大切にして、焦らずに、就活を進めてもらえたらと思います。

 

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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ジョブジョイントおおさかの所長。
障がいのある人の地域生活支援の仕事をして15年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの支援に携わってきた。趣味は、登山、散歩、読書。現在は、北アルプス登頂目指してマイペースにトレーニング中。