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【toiro】靴下の穴に見つけたものの話

実は私、最近になって靴下のつくろい方を覚えました。

ものは試しと、家中の穴あき靴下を集めて刺しゅうをしてみたところ、家族からは好評を得ました。話は地域の手芸部の方にも広がり、身近な方の服を集めて直させてもらう、という機会を得るまでに至りました。予想外の反応を受けて、驚きとありがたさが半々です……というのが先日の出来事。このことでふと考えました。

自分にとって当たり前のことが、他の人にとっては予想外のこと。これはよくお話ししていることですが、今回は続きがあります。「何か新しいものをつくるとき」にも、これはあてはまるのではないか? と。

 

新しいものをつくるとき、根底にある考え方は大きく分けて2種類です。

1つは「今までのものを否定することで生まれる新しいもの」。これはわかりやすいですよね。そしてもうひとつは「自分にとっての当たり前を、そのことを知らない誰かに伝えることではじめて生まれる新しいもの」。

 

私たちは一度知ったことについて、知らなかったときには戻れません。ですから毎日を過ごしているうちに、いろいろなことを当たり前のことと感じるようになっていきます。

けれどもそれも、自分だけで過ごしているときの話。ひとりでも「ほかの誰か」がいるとき、自分は知らないけれど相手は知っていること、あるいはその逆のことがあるのだと、気づかされた経験はきっとおありでしょう。そうやって知っていることを交換したとき、そこにはお互いの「当たり前」から「新しいもの」が生まれているわけです。これは他の誰かがいるからこそできる、新しいものの作り方です。

そういうわけですから、あなたが「できて当たり前」と思っていることは、本当に当たり前なのか、一度確認してみてもいいかもしれません。靴下の穴ひとつというなかれ。予想外に需要があったり、どこかの誰かのお役に立てたりということは、実際に起こるようですから。

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。