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【toiro】猫に学ぶ発達障害2 ~後をひく失敗編~

朝晩の冷え込むようになった昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。発達障害当事者の皆様には、体温調節がうまくいかず、風邪をひいた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね(私のように)。

 

そんな季節ですが、我が家に暮らすハチワレ猫は、しばらく自分用のクッションに近寄ろうとしませんでした。

ことの次第はこうです。

 

我が家の猫は活発な性格で、テーブルから食器棚へ飛び移るなんてことも平気でやります。その日もテーブルに置かれたクッションの上から、台所のワゴンへとジャンプしました。

ところが踏み切りの瞬間、足元のクッションがつるり。クッションはテーブルの上を飛んでいき、ジャンプしきれなかった猫は床に落ちてしまいました(そして私と母にしっかり目撃されました)。

 

幸い怪我はなかったものの、猫がクッション嫌いになったのはそれからです。どうやらテーブルから落ちたことが想像以上にこたえた様子。気に入ってよく眠っていたのが近づくのも嫌になってしまったようで、抱き上げてクッションの上に乗せても体をよじって逃げだす始末。こんなことが3週間ほども続きました。

 

でも、発達障害であるところの私は、果たしてこれを笑えるものでしょうか?

 

 

発達障害の人に見られる特徴に「記憶が長く残る」というものがあります。物覚えがいいのは役立てやすいのでは? と簡単にいかないのがややこしいところ。

残る記憶には特徴があります。「まるで今目の前にあるかのように、色や音、匂いまで明確に思い出せる」こと。そして「嫌だった・辛かった出来事を詳細に覚えている」ことです。こうした記憶とやらかした出来事が積み重なっていくと、なんということでしょう、一度失敗したものごとをずっと避け続けるという困った事態になりやすいわけです。

 

それで、猫のほうはどうなったかって?

 

3週間と少し経ったある日、帰宅した私をクッションの上から出迎える猫の姿がありました。

嫌な記憶が長く残りやすいとしても、薄らぐ日は来る様子。そのへんの柔軟性は、私よりも猫のほうが上手なのかもしれません。

 

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コラムtoiroは、
発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。
名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
須藤真理子(Suto Mariko)

発達障がい当事者。地方都市でピアサポートグループの活動を行っています。
当事者の視点から、自分で試してみた情報の共有や周知活動に参加しています。
主な内容は「食生活と発達障がいの関係」「実際に役立った・便利だった二次障がい対処法」「日常生活での気づき」など。
好きなことは、絵を描くこと・物語を書くこと。
「二次障がいでつらいとき、ものづくりにエネルギーを使う」のは、かなり実用的な対処方法だとお伝えしたい次第。