【toiro】五感を研ぎ澄ましてみる
「朝、通勤電車のホームに立った時、少しひんやりした空気が嬉しくて、思わずマスクを外して深呼吸をしてみた。身体の奥まで空気がすうっと入ってきてとても心地よい。ふと空を見上げると、クリアブルーの美しい空がとても高く感じた。すると、どこからともなくチリリリリと虫の音が…。近くの小さな草むらから聞こえているようだ。いつから聞こえていたのだろう…静かに秋を感じていたのもつかの間、電車が近づき小さな秋は雑踏の中に消えて行った。」
先日、実際に体験したある日常の一コマを、ちょっとエッセイ風に書いてみました。
通勤という朝のルーティンを繰り返す毎日の中で、いつの間にか季節は夏から秋へと移り始めていたことに気付いていなかったようです。おそらく、もっと前から虫の音も聞こえていたのでしょうに。
こんな風に日々の生活の中で、ちょっとした時間の隙間に何かを見つけることで自然を身近に感じたり、懐かしい気持ちになったり、少しホッコリする瞬間ってありませんか?ほんの一瞬のことなのですが、見落としていた大切なものを見つけたような、なんとなく気持ちがリフレッシュしたような…不思議な感覚を覚えます。
多忙な毎日を送っていたり、時間に追われていたり、いつも不安を抱えていたり、とにかく自分自身に余裕がない時、私たちはいろんなものを見落としている可能性があるかもしれません。
そんな時こそ、深呼吸をしてみましょう。心を静めて、五感を研ぎ澄ませることで、目に前に見えているのに見えなかったもの、聞こえているのに聞こえなかったことなど、今まで気付かなかったことに気付くことができるかもしれません。
そして、そこにこそ大きなヒントが隠れている…なんてこともあるかもしれませんね。
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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。
発達障がいのある二人の成人の母+就労支援事業所の支援員。
2人を育てた経験を活かし、自閉症スペクトラム支援士、ペアレント・メンターとしても活躍中。
最近は、ドラマを見ながら眠ってしまって結末が見れない母のために、それを見越して、そっと録画予約をしておいてくれる優しい息子と娘に感謝する毎日です。