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【toiro】「木の芽時」は気をつけよう!

先日、道を歩いていると、街路樹の桜の木のつぼみが少しふっくらしているのに気づきました。気象庁の発表では、今年の桜の開花予想では、例年よりも早くなるそうですので、今月末には開花の便りが聞けそうですね。

さて、みなさんは「木の芽時」という言葉をご存知でしょうか?

寒い冬が終わり、木の芽や虫などが動き出す3月から4月にかけてのこの季節を、昔の人は「精神的に一番不安定になる時期」として、「木の芽時」と言って注意をしていたそうです。

なぜこの時期なのでしょうか?考えてみると、多くの不安定要素があることに気づきます。三寒四温と言われるように、寒さと暖かさの差が激しく入れかわり、自律神経がバランスを崩してしまうのが大きな原因だと言われています。

また、この季節は年度が入れ替わる時期で、別れや出会いの季節とも言われており、卒業や入学、就職、異動など、環境が大きく変わる時期でもあります。

この環境の変化というのは、誰でもストレスを感じるものですが、特に発達障がいの人たちにとっては苦手なことで、不安が強くなる原因となりますね。

今年はそれに追い打ちをかけるように、「新型コロナウイルス」への心配も加わり、みなさんの不安がかなり強くなっているのは想像できます。

前回のtoiroでも触れていますが、不安に感じることはごく自然なことです。
「不安になる」ことは決して悪いことではありません。むしろ、全く不安がないという人がいれば、その方が心配になってしまいますね。

さて、この「不安」とうまく付き合いながら、毎年やってくるこの「木の芽時」をどう過ごせばよいのでしょうか?

環境の変化は避けられないこともありますので、ストレスをなくしてしまうことはできないでしょう。でも、ストレスを軽くすることはできるかもしれません。まずできることは、「がんばりすぎないこと」だと思います。新しい環境に慣れるのには、意識しなくてもがんばっているのですから、がんばりすぎにならないことが大切です。
あと、「しんどい時には無理をせずに休むこと」も必要でしょう。心や身体に負担がかかりすぎてしまうと、回復するのに時間がかかり、かえって長引くことにもなります。「しんどいな、休みたいな」という自分の身体からのSOSに気づいたら、スルーしないでまずは休んでみましょう。判断に迷った場合は、身近な人に相談してみてくださいね。

「がんばりすぎない、無理せず休む」というのは、甘えているとか、さぼっているのとはちがいます。自分が不安定な時に、ダメージを最小限におさえながら、できるだけ落ち着いてすごすための一つの知恵なのです。

  

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コラムtoiroは、発達障がいやコミュニケーションに苦手さを感じているご本人、学生さん、お子さんを応援するコラム。名前は、十人十色からつけました。
読者の方にとって、少しでも役に立つヒントになればうれしく思っています。
不定期ですが、ちょっとずつ更新していきます。

この記事を書いた人
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発達障がいのある二人の成人の母+就労支援事業所の支援員。
2人を育てた経験を活かし、自閉症スペクトラム支援士、ペアレント・メンターとしても活躍中。
最近は、ドラマを見ながら眠ってしまって結末が見れない母のために、それを見越して、そっと録画予約をしておいてくれる優しい息子と娘に感謝する毎日です。